2019.2.5 Florian Gintenreiter
Apple Final Cut Pro Xにカメラで撮影済みの記録メディアを取り込む方法について解説しているが、今回はその3回目でシリーズ最後となる。 ストレージを効率良く使う 最近筆者はFacebook上で、カメラの記録メディアカードをハードディスクにバックアップすることについて何人かと話した。彼らは、素材のコピーにFinal Cut Pro Xを使いたがっていた。もし彼がそのまま素材をFinal Cut Pro Xに取り込んだら、彼のストレージの必要量は2倍になっただろう。 注意:カードから取り込むとき、Final Cut Pro Xはカードから映像をコピーするが、「メディアをそのまま残しておく」はインポートウインドウでチェックすることができない。 彼はその素材で編集するかどうか分からなかったが、どうするべきか知りたがっていた。私は考えた末、これを行うため以下のようなワークフローを思い付いた。 command + Iを押してインポートウインドウを開き、カメラの記録メディアカードのフォルダを選択する。 「すべてインポート」を選択 (または、インポートしたいクリップを選択)してインポートを開始する。インポートウインドウ閉じる。(”インポート開始後にウインドウを閉じる”オプションにチェックマークを付けても良い) コマンド+ 9を押して「バックグラウンドタスク」ウィンドウに移動し、「メディアのインポート」を探して、その横にある小さな「x」をクリックしてインポートを停止する。 すべてのメディアをインポートされるまでこれを繰り返す。 Final Cut Pro Xは、カードの保存場所にあるメディアにリンクするエイリアスを作成する。コピー処理を中断しても、Final Cut Pro Xは元の場所にあるビデオを参照する。これにより、Final Cut Pro X内でメディアを整理できる。 Final Cut Pro Xの保管場所やライブラリにはメディアが存在しないため、必要容量は非常に小さくなり、素材と一緒に簡単にバックアップすることができる。 注意:カメラの記録メディアカードに素材がある間は、素材の映像をプロキシや最適化フォーマットにトランスコードすることはできない。 そのためには、まず素材を物理的にFinal Cut Pro Xに読み込む必要があり(一時的にストレージの容量は2倍になる)、プロキシまたは最適化メディアにトランスコードする。 Final Cut Pro Xを閉じ、ライブラリファイルを右クリックまたはControlキーを押しながらクリックして、「Show package contents」を選択する。これでライブラリバンドルを覗くことができる。 Final Cut Pro X Library bundle and contents その後オリジナルメディアフォルダを削除することができる。以前プロキシを作っていれば、あるいはノーマルモードでも、最適化されたメディアにトランスコードした場合はプロキシモードで作業することができる。 注意:ライブラリバンドルをファインダで開いて直接いじったりしていると、ライブラリバンドルが破損して使用できなくなる可能性がある。 メディアを再リンクするときは、Final Cut Pro X内のライブラリを開く。カメラの記録メディアカードフォルダをコピーしたHDDをパソコンに接続して、File > Import > Reimport from Camera/Archiveから再読み込みを実行する。 筆者の経験では、メニューで選択する前に、まずブラウザで再インポートしたいクリップを選択する必要があった。 また、「Import Media」ウインドウを開き、読み込みたいフォルダの開閉用三角ボタンを開いて、Final Cut Pro Xがカメラカードの構造を認識できるようにする必要があった。しかし、それは使用しているビデオフォーマットや、物理的なカード、あるいはカメラアーカイブからインポートしたかどうかによって異なるかもしれない。 これでメディアはライブラリの保管場所にコピーまたはリラッピングされる。 これにより、ストレージの必要容量を倍増させることなく素材を整理したいという要求が解決されるだけでなく、プロキシファイルが入ったライブラリをMacBookProに取り込んで後で再インポートすることもできる。 オリジナルカードのアーカイブのコピー ここまで見てきたように、Final Cut Pro Xでカメラの記録メディアカードを操作する方法は多くあり、このチュートリアルですべてを網羅したわけではない。 元のカメラの記録メディアカードのコピーを通常アーカイブしないと言うと、驚かれるかもしれない。筆者は編集を始める前に、ホテルやスタジオで、あるいは1日の終わりに、すべての映像をThunderbolt RAID 5のFinal Cut Pro Xライブラリに取り込み、さらに2台のHDDにバックアップする。 現場で何日も撮影するのであれば、ShotPutProを使ってカメラカードをモバイルRAIDにバックアップし、そのモバイルドライブからThunderbolt RAID 5とHDDにすべてのカードを取り込んでスタジオに持ち帰る。 Shot Put Pro – offloading software 一部のFinalCutProXユーザーとは対照的だが、筆者はFinal Cut Pro Xにライブラリバンドル内のメディアを管理させる方法が好みだ。特にFinal Cut Pro Xでは、10.3.0アップデート以降にライブラリ内で使用されているエフェクトもバンドルされているため、1つのファイルにすべての情報がまとめられていて便利だ。 前述したように、Final Cut Pro Xでメディアをオリジナルのコンテナ形式から.movファイルに再ラップしても品質の低下はない。将来編集システムを変更した場合でも、バンドルから映像素材のみを抽出して他のNLEで作業することも可能だ。 ヒント:「すべての卵を1つのバスケットに入れる」ようにライブラリファイルを使用することを危険と考えるユーザーもいる。そのファイルが破損した場合、すべてが失われる可能性があると考えているからだ。しかし、macOSバンドルは、OSによって表示が異なる特別なフォルダにすぎないため、ファイルをMac上の他のフォルダに置くことほど危険ではない。ちなみに、この特別なタイプのフォルダは、FCPXライブラリをサーバーやNAS上のAFPやSMBに常駐させることができない理由となっている。ファイルシステムはバンドルをサポートしていないからだ。ただし、NFS共有は特定の状況下でも機能する。 破損したFCPXライブラリの「オリジナルメディア」ファイルにアクセスする Final Cut Pro Xがバンドル内のXMLファイルに何らかの損傷を与えてライブラリを開くことができなくて「破損しています」とメッセージが出ることがある。この場合はライブラリファイルを右クリックまたはControlキーを押しながらクリックして「Show package contents」を選択すると、いつでも元のメディアにアクセスできる。 Use “Show Package Contents” to open macOS bundles and peek inside. これでライブラリバンドルを覗くことができ、FinalCutProXライブラリ内のすべてのフォルダを見ることができる。探しているメディアが含まれているフォルダに移動し、「Original Media」フォルダを探す。その中に元のメディアファイルがある。破損したライブラリファイルのバックアップは、デフォルトのバックアップ場所か指定した場所にある。 まとめ この3回構成の記事では、Final Cut Pro Xで記録メディアカードに含まれるすべての情報をまとめた。その中には、Final Cut Pro Xで作業するときに、より速くより効率的に作業する情報も含まれている。役に立てば幸いだ。
続きを読む2018.8.5 Olaf von Voss
富士フイルムは、ミラーレスカメラ用の交換レンズラインアップを拡充しているが、今度はXF 8-16mm f / 2.8を発表した。 11月に発売が予定されている。 新しいXFレンズは、ズーム全域にわたってf/2.8の超広角ズームだ。また、このレンズとは別に、まだ正式発表されていないもう1つのレンズがある。XF 200mm f/2と1.4xテレコンバーターだ。 FUJINON XF 8-16mm f/2.8の概要 このレンズはまだ出荷されていないが、cinema5Dではプロトタイプを入手することができた。それではこの超広角ズームの仕様を見てみよう。 まず、このレンズはFUJIFILM Xマウントを採用している。35mm換算では12mm-24mmのズーム範囲となる。 レンズ構成は13群20枚で、4枚の非球面レンズ、3個のED(超低分散)レンズ、3枚の超EDレンズが含まれている。重量は805gで、長さは121.5mm、直径は88mm。 Lens elements and rubber weather sealings (shown in green). アイリスは9枚の絞り羽根で1/3 EVステップで調整可能。最短合焦距離は25cmなのでマクロレンズとしての機能は期待できない。 富士フイルムによれば、高速で静かなオートフォーカスが可能とのこと。また、このレンズは耐候設計なので、屋外での撮影にも安心して使用できる。 同社によれば、-10°Cまで耐寒性があるとのこと。 価格 このレンズはすでにB&Hに掲載されており、今年11月に約2,000ドルで発売予定。もう一つの新レンズ、200mm f/2プライムも11月に発売される予定。1.4xテレコンバーターも用意される。なお、価格は約6.000ドルとされており、安価なレンズではない。 同社のX-H1ミラーレスカメラは、約1,650ドルでレンズの高価さが際立つが、動画撮影にも威力を発揮するだろう。 Links: Webサイト| ロードマップ
続きを読む2016.9.28 Sebastian Wöber
中判カメラでビデオを撮る時代が、徐々に来ているような気がする。この1週間、フォトキナの会場を歩き回って、その気配を強く感じた。また、中判カメラメーカーと話してみると、それは確信に変わった。ここではデンマークの光学機器メーカーPhase OneのXF IQ3を紹介しよう。 中判カメラでの動画撮影 デジタルシネマの世界では、より大きなサイズのセンサーへのトレンドを見ることができる。DSLRでビデオが撮れるようになってからは、その傾向が加速している。写真の世界では特にその傾向があり、ビデオと写真が融合しつつある現在では、今回のフォトキナは大きな節目となっている。 Phase OneのXFカメラを見ていると、cinema5Dをスタートさせた時と重なる。5D Marl IIが世に出た時だ。やがてこれが映像業界に革命を起こすことになるなど、開発したキヤノンでさえ思いもよらないことだったのだ。中判カメラの世界においても、同じようなことが起こりつつあるのではないだろうか。 Phase One XF と IQ3 カメラバック Phase OneのブースにAtomosのShogun Flameを持っていくと、怪訝な顔をされた。単にHDMI出力を記録して欲しかっただけなのだが。彼らがハイエンドのフォトユーザーをターゲットにしているのは当然だし、ビデオに関してはあまり興味がないのはよく分かる。しかし、彼らもまた、この製品がビデオも撮るフォトグラファーやシネマトグラファーに使われるかもしれないことに、気が付いていないのだ。 大変残念なことだが、多くのメーカーは現在の顧客に目が向いていて、大きなビジネスチャンスを逃がしてしまうかもしれない。しかし、間違いなく、中判カメラは、8Kの時代にはスタンダードになっているだろう。現在DSLRやミラーレスが4Kのスタンダードになっているのと、何も変わらないのだ。 Atomos Shogun Flame を Phase One XF に HDMIで接続 冒頭のビデオから分かるように、Phase One XFのビデオ機能は、ほんの駆け出しに過ぎない。Atomos Shogunで記録するのも、普通のHDMI出力をマニュアルで撮るしかなかった。もしLogガンマや、ダイナミックレンジを広げるための低コントラストモードがHDMI出力にサポートされていれば、言うことないのだが。というのも、普通に記録したHDMI信号でさえ、本当に美しかったからである。そのボケ足はあくまでもソフトで、エリアシングやノイズが無いと言ってよいような画面は、実に高品質なのだ。4K映像でも、その違いははっきり分かるだろう。 なぜ、大きなセンサーが良いのか? これに関しては、こちらの記事を参考にして欲しい:Full Frame and Beyond – Large Sensor Digital Cinema 中判ビデオカメラを作ろうとしているメーカーはあるか? 中判カメラを作っているメーカーはいくつかあるが、現在のところ、恐らくどのメーカーも、本格的に使えるビデオカメラのレベルには無い。以下に列挙してみよう。 富士フイルム GFX 50S 富士フイルムがフォトキナ2016で発表した中判カメラ。新しいレンズマウントを採用し、レンズファミリーも同時に発表している。使用しているセンサーは51.4メガピクセル(8256×6192画素)で、ビデオの内部記録も可能だ。ただ、残念ながら4Kはサポートされていない。HDに関しては、是非テストしてみたい。 ハッセルブラッド H6D-100c このカメラは4月に発表されたもので、4K RAWビデオを収録することができる。フォトキナ2016で4Kビデオを初めて見ることができたが、素晴らしいの一言だった。ただ、他のメーカー同様、このカメラもまたフォトユーザーをターゲットにしたもので、ビデオユーザーには物足りないかもしれない。このカメラも是非早めにレビューしたい。 ハッセルブラッド X1D-50c こちらはHDビデオをH.264/25fpsで撮ることができる。 ライカ(Leica) S(Typ 007) このカメラは4K DCI / 4:2:2で撮ることができるが、super35mmでクロップされてしまう。 ジナー(Sinar) S30|45 Digital Back スイスのカメラメーカー、ジナー(Sinar)が、4Kビデオを内部記録できるカメラを発表した。Sinarback S30|45はライカのCMOSセンサーとライカMaestro IIイメージプロセッサーを装備する。静止画だけでなくビデオ撮影も想定したカメラ。 次に来るものは? これらの中判カメラメーカーは、これからビデオユーザー向けの製品を作るには、まだかなりの道のりが必要だろう。しかし、今回見るように、方向性は悪くないし、将来が期待できる。映画製作の世界では、大きなサイズのセンサーに帰りつつある。例えばArriはALEXA65でPhantom65やPanavision DXL、あるいはRED Vista Vision 8Kカメラのような大きなサイズのセンサーを使うことを決断したのだ。 皆さんは中判カメラでビデオを撮ってみたいと思われるだろうか?しかし、いずれにせよ4Kから8Kへ移行する時代、中判カメラが注目されるのは自然な流れではないだろうか? Phase One XF IQ3のWebサイトはこちら(日本語)
続きを読む最適な記事を配信します。スパムではないことを保証します。ニュースレター配信をお望みでない場合は、1クリックで登録を取り消します。無効にする(オプトアウト)ポリシーは こちら.
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