2019.8.11 Mark Zdunnek
Benro Gearは、Benro Xシリーズジンバルを発表した。5種類が用意されており、3XS Lite($ 99)と3XS($ 119)はスマートフォン用、3XM($ 399)および3XD($ 499)はDSLR/ミラーレスシングルハンドジンバル、3XD Pro($ 699)はデュアルハンドルだ。 Benro X-Series: Lineup (product images, © 2019 Benro) Benroは中国のメーカーで、この一連の製品群により、ジンバルの市場全体をカバーする。ジンバルは現在、DJI、Zhiyun、TILTAなどのブランドが有名だ。このようなマーケットにどのように食い込んでいくのかが注目される。 今回の記事はニュース投稿を参照しており、製品の品質や機能について実際に確認したわけではない。しかし、発表された情報から、これらのジンバルの特徴が伺える。 まず、耐荷重に関しては、3つの異なるカテゴリーが存在する。 スマートフォンジンバル3XS Liteおよび3XSは、通常のiPhoneやAndroidスマートフォンに対応する。 3XMジンバルは最大約1.77 kgの耐荷重。 3XDおよび3XD Proは、最大約3.76 kgの耐荷重。 参考までに、DJI Ronin Sの耐荷重は約3.6 kg、DJI Ronin SCは約2 kgだ。 Benro X-Series gimbals (credit: Benro) スマートフォンジンバル:3XS Lite(99ドル)と3XS(119ドル) 3XSと3XS Liteは非常に似ている。主な機能は次のとおり。 折り畳み可能(持ち運び、収納、持ち運びが簡単) 自動回転(ワンクリック) さまざまな撮影モード マイクジャックコネクター(内蔵) バッテリー連続使用時間:24時間 3軸ジンバル カスタムキー Benroコンパニオンアプリケーション ユニバーサルアダプター 収納用ポーチが付属 底面に¼インチネジ穴を用意 以下は2つの製品の違い。 Benro 3XSは、有線充電に加えてワイヤレス充電が可能 Benro 3XS Liteには収納袋とミニ三脚のみ付属。3XSにはオーディオケーブル、iPhone充電ケーブル(ライトニング)、Android充電ケーブル(マイクロUSB)が付属する。 搭載できるのはスマートフォンで、耐荷重は明記されていないが、どちらも同じと思われる。 Benro X-Series: 3XS and 3XS Lite (product images, source: Benro) DSLR/ミラーレスジンバル:Benro 3XM(399ドル)および3XD(499ドル) 製品の仕様だけを見ると、これらのジンバルは非常によく似ている。 3XMおよび3XDの仕様: 自動回転 45度オフセット(3XDのみ) さまざまな撮影モード バッテリー持続時間は12時間 耐荷重:3XMは最大約1.77 kg、3XDは最大約3.76 kg 折り畳み可能 3軸ジンバル カスタムキー ユニバーサルアダプター Benroアプリ キャリングケース オーディオケーブル 2つのキャリーポジション 方向制御 ¼インチネジ穴(3XM)および3/8インチネジ穴(3XD) これら2製品の違いは、各製品に付属するアクセサリーパッケージにある。 安価な3XMジンバルには、2つのバッテリー、ソニーカメラ用ケーブル、パナソニックカメラ用ケーブル、充電器、USBケーブル、レンズサポートアダプターが同梱されている。 3XDではさらに100ドル追加すると、これらのアクセサリーに加えて、キャリングケース、キヤノンカメラケーブル、小型の三脚スタンドが提供される。三脚スタンドは3XDにのみ対応する。 ウェブサイトの写真では、3XMにも三脚スタンドがあるが、リストには三脚スタンドは記載されていない。 3XMの画像では、三脚スタンドを収納するスペースは無いようだ。 また、3XDには3XMとは異なるキャリングケースが付属しているように見える。 Benro X-Series: 3XM and 3XD (product images, source: Benro) デュアルハンドルDSLRジンバル:3XD Pro(699ドル) 3XD Proは、このラインアップでは最高級のジンバルだ。 機能は上記の3XDおよび3XMとほぼ同じだ。 自動回転 さまざまな撮影モード 45度のオフセット 最大約3.76 kg(3XDのみ)の耐荷重 3軸ジンバル カスタムキー ユニバーサルアダプター Benroアプリ キャリングケース(3XDのケースのように見えるが、デュアルハンドルも収納できる) 更なる特徴 内部オーディオケーブル 13時間のバッテリー連続持続時間 デュアルハンドル/調整可能なスイベルハンドル三脚 3つのバッテリー Mini、Micro、およびFull HDMI対応の3x Mini HDMIケーブル アプリの機能には、モーションラプス、パノラマ機能、カメラのリモートなどが含まれる。(対応カメラ) Benro – X-Series 3XD Pro (product images, source: Benro) まとめ BenroのWebサイトには、この記事の執筆時点で明らかな間違いがいくつか含まれており、機能やその違いが明確でないところがあった。他のニュースサイトではそのまま転記されているところもある。この記事ではできるだけ誤情報を避けるよう気を付けたつもりだ。しかしそれでも誤情報を見つけた場合はお知らせいただきたい。
続きを読む2018.10.7 Bato Prosic
Gudsen はMOZA シリーズで有名なジンバルメーカーだが、フォトキナ2018でMOZA Air 2と MOZA Air Xを発表した。 MOZA Air 2は、一般的なシングルハンドスタイルのジンバル。一方、MOZA Air Xは、更に耐荷重が高い、両手持ちにも対応できるジンバルだ。 MOZA Air 2の概要 MOZA Air 2は従来のMOZA Airにならい、最新のデザインと高い耐荷重、そして新機能を備えている。オリジナルのMOZA Airは、一般的な片手持ちジンバルのスタイルで設計され、3.2kgの耐荷重だった。今回発表されたMOZA Air 2は0.3kgから4.2 kgの耐荷重を持つ。ジンバルは、DJI Ronin-Sと同様の角度でロールモーターを配置し、カメラの背面モニターが見やすいようになっている。重量はバッテリーを含めてもわずか1.6kgと軽く、これはDJI Ronin-Sよりも重量対耐荷重比が優れている。もちろんこれは単に仕様だけの話で、テストしてみる必要がある。 MOZA Air 2は、ソニーFS5クラスの大型カメラを含め、キヤノン1DX MarkII、ブラックマジックデザイン Cinema Cameraなどに対応する。 MOZA Air 2はグリップにトリガー、フォーカスホイール、ジョイスティック、LCDディスプレイ、2つのボタン、4方向ダイヤル、およびレコードボタンがあり様々な操作が可能。 また、トリガーの少し上にミニロゼットアタッチメントが付いている。更にグリップ底面には1/4 “-20と 3/8″の2本のネジがあり、三脚などに固定する事もできる。カメラ用にマンフロット対応のクイックリリースプレートが用意されている。 バッテリー持続時間は14時間で、動作中でもUSBを介して充電することができる。さらに、MOZA Air 2には3系統のUSB電源コンセントが装備されている。充電時間は約5時間。 ソフトウェアでは、全軸から単軸、2軸の組み合わせ、オールロックの8つの追従モードをサポートしている。クイックホイップパン用の「スポーツギアモード」とズーム機能を持つ360°ロール、そしてモーションタイムラプスのように見えるいわゆる「インセプションモード」がある。 既に販売されている同社のMOZA iFocusやWireless Thumb Controllerなどのアクセサリーも全て使用できる。 MOZA Air Xの概要 MOZA Air Xは、Zhiyun Crane 3 LABやWEEBILL LABと同様、通常の片手持ちでも、Roninのような両手持ちでも使用できる。フレキシブルな使い方ができる上、高い耐荷重を実現している。2019年第1四半期に発売予定で、下は主な仕様。 耐荷重:6.0kg 重量:1.4kg(カーボンファイバー製) 着脱可能なコントローラーで、最大100mまでワイヤレスで使用可能 疑似モーションコントロール USB-Cでの電源入出力 Bluetooth 5.0、無線LAN、2.4Ghzワイヤレス モード:タイムラプス、ハイパーラプス、モーションタイムラプス、Vertigo(めまい)ショット、インセプションモード、スポーツギアモード しかし、最も興味深いのはボディデザインだろう。両手持ちデザインでかつ、MOZA Air 2やDJI Ronin-Sのように片手持ちも可能だ。グリップは、様々な形状にセットすることができ、状況に合わせて持ち方を変えることができる。ジンバルを地面に下ろす場合は、三脚のようにすることができる。さらに、メイングリップは180°回転させることができ、ハンドルが上に来るようにできる。 これにより、ジンバルを地面に置いたり、両手で持ったり、片手で使用したりなど、さまざまな使用形態が可能だ。また、本体は17インチ幅のパッケージに簡単に折り畳むことができ、持ち運びも楽だ。更に、MOZA Air Xのスライダアタッチメントを付けると、フルモーションコントロールができる。 MOZA Air Xは、中型のカメラに対応できるジンバルとして注目に値するだろう。
続きを読む2017.10.12 Fabian Chaundy
Came-TVは新しい小型カメラとスマートフォン用のジンバル、ProphetとSpryを発表した。これらのジンバルは、さまざまなカメラに対応できるようリムーバブルヘッドを備えている。 B Came-TVはNABでこれらのジンバルを発表したが、これらの新製品は今年後半に出荷予定だ。 Came-TV Prophet Came-TV Prophetは、DSLRカメラやミラーレスカメラ用に設計された3軸ジンバル。デザイン面では、Came-TV Argoの後継となる。 Argoとは違い、Prophetは片手グリップを標準装備している。しかし、ジンバルヘッドが交換可能で、4軸の手振れ補正ができる両手ハンドルバー、Orbit-Two Ring、Tesseraハンドルなど、必要に応じてマウントを購入することができる。 The Came-TV Prophet in its various confirurations. Prophetのモーターは360°回転が可能で、サイドのパンモーターはカメラのパンを柔軟に行うことができる。重量に関しては、Prophetの片手バージョンは1.65kgで、最大耐荷重は3kg。 ソニーのBP型バッテリーで稼働でき、1回の充電で最大10時間まで動作させることができる。 Came-TVジンバルはManfrotto 501PLクイックリリースプレートシステムとも互換性があり、三脚からジンバルへの移動では、プレート交換をする必要が無く、非常に効率的だ。 Came-TV Spry The Came-TV Spry in its various configurations. 一方、スマートフォンや小型のカメラ用に、Came-TV Spryが用意されている。 Prophetと同様、Spryは柔軟性を重視しているが、ハンドルの種類を変更するのではなく、カメラに応じてさまざまなマウントが用意されている。 Came-TV Spryには、ソニーのRX100など、最大重量が約500gのサイズのカメラ用のマウント含まれる。ソニーのカメラに対しては付属のケーブルを接続して、ジンバルのハンドルにある4つのボタンで、ズーム、フォーカス、フォトシャッター及びビデオ記録のスタート/ストップをコントロールできる。 Came-TV Spry with the Sony RX100. Spryには、GoPros用のアクションカムマウントと、スマートフォン用のクランプも含まれている。BT Shutterアプリを使用して、Bluetoothでカメラをリモートコントロールできる。このアプリはAndroidとiOSの両方でサポートされている。 SpryはProphet同様、360度の動きが可能で、カメラの左右どちら側でも設定できるパンモーターを備えている。
続きを読む2017.9.28 Nic Divischek
今年のIBCには“Russian arm”の新製品が展示されている。“TYR Take-Away Russian Arm”はコンパクトでセットアップが容易なジブシステム搭載のクルマ用クレーンだ。 従来のRussian armのイメージが思い浮かばない場合は、上のビデオを見ていただくのが早いだろう。これは車載カメラクレーンで、高速で走るクルマの中から操作できる。主な用途はクルマのCMが想定されており、ScorpioからOculusまであらゆる種類のジンバルヘッドを使用することができる。このシステムの使用コストは、クレーンだけでも6桁(ドル)のレベルで、通常は車を含むレンタルで利用される。また、これに加え、搭載するクルマにはシステムの重量などを考慮して対応する必要がある。そのためには、クルマ自体の改造も必要になってくる。なお、これらのクルマは、使用後には廃棄されることになる。 ドイツの会社Allgolden UGはこれを根本的に変えるシステムを開発した。Take-Away Russian Armの名前が示すように、今までのRussian Armシステムを凌駕するシステムで、ショットの要件に応じてさまざまな位置でクレーンを車両の上に置くことができる。おおよそ110,000ユーロの購入価格で、まだまだ安いとは言えない(詳しくはIBCのビデオを参照)。ただし、普通の乗用車の上に設置することが可能になっている。また、従来は専用のオペレーターが必要だったが、彼らの計画では(もちろんレンタルハウスにもよるが)、通常は特別なオペレーターなしでシステムをレンタルすることができる。 各種のモード Take-Away Russian Armには以下のようなさまざまなモードが用意されている。 拡張モードでは、3軸により3D空間で自由に移動できる。クルマの周りを360°回転でき、クルマとの距離や上下動もコントロールできる。 コンパクトモードでは、経験が少なくても使いこなすことができる。オーバーヘッドの動きをクルマから90cm以下に制限することで常に安全な範囲に留まり、衝突の危険性を大幅に低減し、クルマの上下左右に360度動かすことができる。 ガレージモードは、限られたスペース専用の特殊モード。駐車場や狭い通路で追跡ショットを撮影することができる。 サポートされているクルマとジンバル TYRシステムは工業用規格のエレクトロニクスで構成され、陽極酸化処理された筐体で、非常に耐候性が高いことが確認されている。システム自体は200種類以上のクルマに設置できるが、リストにないクルマの場合は、ニーズに合わせてカスタマイズすることができる。リグは20KGの耐荷重がある。今のところ、以下のカメラとジンバルがサポートされている。 The TYR app for the Take-Away Russian Arm seems very advanced already. 適応カメラ Arri Alexa Mini, Red Weapon, Canon C500, Canon 5D, Sony Alpha 7, Sony FS7, Sony F55, Blackmagic URSA 適応ジンバル Shotover G1, Movi XL, Movi Pro, Movi M15, DJI Ronin 2, DJI Ronin MX コントローラーとアプリ TYRシステムには、アプリがプリインストールされたタッチスクリーンタブレットが同梱される。このアプリにはクルーの安全のため、クレーンの位置のフィードバック、ユーザーの制限、非常停止ボタン、セーフティマージンなどの機能が搭載されている。また、ゲートチェック、レンズ交換、カード交換、あるいはランチタイム中などにすべての動作をブロックする2つの補助スイッチが含まれている。 価格と発売時期 TYRのエンジニアはまだシステムとアプリを開発中だが、発売時期は数カ月先、価格は110,000ユーロとのこと。一般的にはレンタルアイテムとなる。
続きを読む2017.1.12 Gunther Machu
私はGoProカメラを第2世代以降使用していて、Hero3とHero4も持っている。(Hero4のレビュー記事はこちら) このカメラは小さく、どこにでも取り付けることができるので、普通は考えられないようなアングルの映像も撮影することができる。しかしスタビライザーションは常に頭を悩ます問題だった。Part 1ではKarma Gripについてのレビューをお届けする。 The GoPro Karma Grip GoProカメラは、画質はよく、フレームレートも十分なのだが、マウンテンバイクで走った後やスキーのあとで家に帰って映像を見ると、いつもがっかりしてしまうことが多い。殆どの映像はブレが酷くて使えないが、わずかのカットは編集時にPremiere Proのワープスタビライザーで補正して、なんとか使っている。そこで、GoProカメラ用に開発されたジンバルを紹介したい。ただ、これまでいろいろな中国製ジンバルのオンラインレビューを見てきたが、納得できるものはあまり無かった。 しかし、2016年末にGoProからKarma Gripが発表され、これには心を動かされた。このジンバルはKarmaドローンにも付属しているが単独でも販売されており、GoPro(Hero4、Hero5とSessionカメラに対応)専用のジンバルだ。ジンバルからカメラの電源On/OffやStart/Stopもコントトールできる。 同時期にRemovuからRemuvu S1も発表された。これは防水処理されたGoPro用ジンバルで、Karna Gripに比べて、多くの機能が追加されている。(レビュー記事はこちら) さて、どちらを買うべきか?価格的にはほぼ同じだ。 The Removu S1 結局Karma Gripを買うことにした。そしてこの機会に古いカメラを全て売り、Hero5 Bkackを購入したのだ。 Karma Gripのテスト 自分の場合は、マウンテンバイクや犬に常に装着してテストしている。犬に関しては、犬目線で取り付けてみた。走り回る犬に取り付けるのは、スタビライザーのテストとしては最も過酷な方法ではないだろうか。犬に胴輪をつけ、それにGoProを取り付けている。 さて、そのビデオを見ていただきたい。Karma Gripに取り付けたGoProの映像は極めて安定していることがお分かりになるだろうか。ただし、この方法は皆さんにはあまりお勧めしない。と言うのは、犬はハイテクデバイスであることなどお構いなく走り回るので、カメラはあちこちにぶつかるのだ。気が気でないので、これは数カットでやめにした。 フレームレートは60pで撮っている。理由はHero5 BlackのNDフィルターが無かったので、シャッタースピードを上げ、明るい環境で適正な露出を得ているためだ。もちろん、そのため多少カクカクした動きになっている。残念ながらVimeoは今のところ60pの動画をうまくハンドリングできていないようだ。ダウンロードしてオリジナルの画を見て評価することをお勧めしたい。 また、ビデオの後半ではチェストマウントを付けてマウンテンバイクを走らせているので、こちらの映像もご覧いただきたい。 このビデオにある通り、森の中を犬と走り回ったのだが、Karma Gripは素晴らしい結果を残してくれた。もうこれ無しには撮影する気が起きないだろう。 Karma Gripの良い点 強力な手ぶれ補正 グリップのボタンでGoProを簡単にマウント可能(電源のOn/Offができ、他のボタンでRec On/Offができる) 2時間バッテリー持続 全てを収納できるケースが付属しているので、ケースから取り出してすぐに撮影できる 改善が望まれる点 Hero5 BlackのオーディオがKarma Gripに装着時、こもった感じになる モーターの音が音声に記録されてしまう 防水処理されていない。Hero5 Black自体は防水処理されている 不具合 時々グリップの電源ボタンを押してもHero5 Blackの電源が入らないことがある。この場合は、カメラをジンバルから一度取り外し、更にバッテリーを取り外し、もう一度ジンバルにマウントすると良い。 カメラがグリップと一緒に電源Offになるのはいいのだが、カメラのバッテリーが漏れていることがある。使おうと思ってグリップの電源を入れるとカメラの電源が無くなっている。グリップの電源でカメラが動作するが、カメラのバッテリーが完全になくなっていると、カメラは動作しない。更にカメラの電源が本当にOff になっているかを知る方法がない。 オーディオが全く記録されない場合がある。どうしてそうなるのか分からない。自分はHero5 Blackの新機能である”RAW”オーディオを常に使っており、各マイクの音が別のトラックに独立したWAVファイルで記録される。幸いにも、この音声ファイルは残っていた。いずれにしてもオーディオは鬼門だ。 まとめ 総じて文句のない製品だが、願わくば、ファームウエアで改良してほしい点がいくつかある。 その一つはオーディオのクオリティーの低さだ。GoProのソリューションは、まだ提供されていない。 Removuの製品では、この対策がされている。Hero4 Black Editionでは、カメラにワイヤレスマイクが用意されているのだ。これにより、オーディオの問題が解決されている。(Removu M1とA1) Removu S1とGoProの組み合わせでは、かなり良くなっている。 Part2ではKarma GripとRemovu S1をサイドバイサイドで比較してみたいと思う。
続きを読む2016.9.21 Olaf von Voss
先日オリンパスOM-D E-M1 MarkIIの発表をお伝えしたが、今回はオリンパスにインタビューを行い、その強みを語ってもらった。4Kビデオが高画質で撮れるのはもちろんだが、強力な手振れ補正はこのカメラのもう一つの大きな特徴だ。 OM-D E-M1 MK IIの概要 それでは、もう一度主な特徴を見てみよう。 20メガピクセルマイクロフォーサーズLive MOSセンサー UHD 4K/30pとDCI デジタルシネマ規格(4096×2160)4K/24p 3.0インチタッチスクリーンモニター 121ポイントデュアルオートフォーカス Pre-Record機能 5軸手振れ補正 デュアルSDカードスロット(UHS II) 優れた耐候性(防塵、防滴、防寒) このカメラの大きな特徴のひとつが強力な手振れ機能。オリンパスも次のように言っている。 多大な予算を組まなくても安定したカメラワークができる、新しい選択肢。 これが本当なら、極めて画期的で、これまでの常識が変わるだろう。手振れ機能が搭載されたオリンパスのレンズを組み合わせると、更に安定感が得られそうだ。即ち、ジンバルにも劣らない手振れ補正が期待できると言うことだ。ただ、発表資料やプロモーションビデオには、手振れ補正に関してはそこまでの記述はなく、どちらかというと耐候性が強調されている。今後の動向に注目したい。 さて、4K撮影は、もちろんもう一つの大きな特徴のひとつだ。ただ、こちらに関しては、既に多くのライバルが2世代、3世代目の時代になっており、初搭載のオリンパスには出遅れ感が否めない。しかし、先の手振れ補正機能を武器にすれば、今後の巻き返しは十分可能だろう。 なお、4K収録時のデータレートは237Mbpsで、ソニーのα7SIIやパナソニックのGH4が100Mbps程度であることから比べると、かなりハイレートになっている。コーデックに関する情報が無いので何ともわからないが、このハイレートが純粋に高画質に貢献するのか、あるいは、コーデックの効率によるものなのか、いずれにしても記録メディアには気を使う必要があるだろう。 価格と発売時期 今回の発表は参考出品の扱いなので、発売時期や価格のアナウンスは無いが、早く手にしてみたいカメラのひとつであることは間違いない。 オリンパスのプレス発表資料はこちら
続きを読む2016.9.19 Nic Divischek
フォトキナ2016でGoProがドローンマーケットへの参入を発表した。4K対応のHERO5やHero Session 5などに対応する。 ここ数カ月、GoProから新製品の音沙汰が無かった。GoProと言えば、言うまでもなくスポーツカメラ分野のパイオニアだが、最近ではDJIやソニーの台頭を許している。JDIは独自でドローンやスタビライザー用のカメラを用意し、ソニーはアクションカムでスポーツカメラ自体のシェアを伸ばしている。 しかし、ここに来てGoProの反撃が始まった。一新した小型カメラHero5などの発表に加え、ドローンマーケットに進出したのだ。 GoPro HERO 5 新しくなったHero5は、全く新規に開発されており、多くの新機能を搭載している。Hero5は12メガピクセルのイメージャーを持ち、4K/30fps、1140p/80fps、1080p/120fpsで撮影できる。新しいGoProは水中ハウジングが不要。本体自体が10mの防水性能を持っているのだ。内蔵の手振れ補正機能、Wifi、Bluetooth、位置情報、音声コントロール(7言語)、そしてGoProクラウドへのオートアップロードなど多くの機能を装備している。2インチのタッチスクリーンパネルはシンプルなメニューで分かりやすい。更に、RAWとWDRフォトが標準装備されている。 音声コントロール 水中ハウジングは不要 外部マイク機能 ハードウエア手振れ補正機能 クラウドへの自動アップロード機能 価格は$399。(海外) GoPro Session 5 Hero Sessin 5は更に小型のカメラだ。10メガピクセルのセンサーを持ち、4K/30fps、1440p/80fps、1080p/90fpsで収録可能。また、手振れ補正機能を持ち、音声コントロールも可能。更に10mまでの防水機能も持っている。 音声コントロール 4Kビデオ 1ボタンコントロール Wifi経由で、スマートフォンでモニタ可能 価格は$299。(海外) GoPro Karma GoProオリジナルのドローン。折り畳むと極めて小さくなり、バッグに収納できるのが優位点。ジンバルも付属しており、GoPro Hero5を搭載できる。 GoPro Karma Announced by Nick Woodman, CEO of GoPro Karma is so much more than a drone – Nick Woodman, CEO of GoPro 10月23日発売で、価格は$799.Hero5が同梱されているパッケージは$1,099、Hero5 Sessinが同梱されているパッケージは$999。(海外) GoPro Karma Grip GoPro Karma GripはDJIのOsmoのようなジンバルスタビライザーで、カメラはGoPro Hero5を使用する。従来のGoPro装着アクセサリーが使えるので、現在持っているGoProをスタビライザーに付けて使用できる。単独でも販売されるが、Karmaドローンに同梱される。 GoPro PlusとQuik App Editing Software GoProは新たに独自のクラウドサービスを開始し、GoProカメラから直接、自動アップロードができるようになる。 操作はiPhoneにマイクロSDカードを挿入して行い、Quik Keyで簡単に操作できる。映像はスマートフォンやタブレットにダウンロードされ、好みのBGMを選んで数回クリックすると、Quikアプリが勝手に編集してくれる。 クラウドサービスの費用は未定。 GoProのWebサイトはこちら(日本語)
続きを読む2016.6.7 Nino Leitner
OSMO RAW(Zenmuse X5R)を友人の結婚式で使って見た。最初はHDで、後半はUHDで撮っているが、全てのショットをRAWで収録している。スタンダードピクチャーセッティングを使用し、編集時にProRes4444に変換している。編集時に色の変更はしていないのでファイルをダウンロードして、自分でやってみて欲しい。 はじめに 今回OSMOを初めて使ったので、幾つかの失敗をしてしまった。道が分からなくて遅れてしまい、到着したのは新郎新婦入場とほぼ同時だった。それで、とりもなおさずOSMOをひっつかみ、撮り始めた。このとき、オートエクスポージャーモードのまま撮ってしまったのだ。iPhoneの画面上ではそれとは気づかず、最初にレビューして初めて気が付いた。よって、高速シャッターの映像になってしまったことをお許し願いたい。 ということで、晴天下で撮る場合などではNDフィルターは必須だ。高速シャッターになってしまうので、映像がぎくしゃくしてしまう。 操作性 しかしOSMOはやはり使える機材だ。コンパクトなボディにすごい技術が凝縮されている。ボタンの配置も適切で、使い勝手も良い。DJI Goアプリの使い勝手も悪くない。 OSMO自身はモニタースクリーンを持っていない。スマホをWi-Fiで接続してモニター代わりにするのだ。OSMOのコントロールはDJI Goというアプリをスマホにダウンロードして行う。Wi-Fi接続ながら、タイムラグはほんのわずかしかない。 DJI Goも分かりやすい。もっとも、幾つかの点で不満はある。オートフォーカスはタップしたところにフォーカスする機能があるが、一度フォーカスしてもそこをフォーカスし続けることができない場合がある。マニュアルフォーカスでは、バーチャルなフォーカスリングでコントロールするが、こちらの方が扱いやすい。ただ、マクロから無限遠のような長いフォーカシングは一回で行き切らない。様々なカメラセッティングがメニューでできるが、一般的な日本のメーカーのカメラメニューより直観的だ。 RAW記録 OSMOのRAWバージョンは、RAWレコーダーを装着する点で従来のX5と異なっている。専用のDJI SSDに記録するのだが、これがけっこう高額だ。(512GBで税込194,500円) 512GB SSDにRAW記録する場合、4KあるいはUHDで30分、HDで4時間記録できる。冒頭のビデオでは、結婚式が何時間くらいなのか分からなかったので、最初はHDで、後半はUHDで収録した。 ファンノイズ RAW記録の場合、大きな問題がある。それはファンノイズが半端ではないということ。ノイズが記録されてしまうので、音声は使い物にならないことと、そのノイズが周囲に迷惑をかけてしまうことだ。参列者から2mほど離れて歩きながら撮影していたのだが、多くの人がOSMOのノイズが気になって振り返るのだ。これは大変マズい。 スマホからの操作性 高解像度のスマホからタッチスクリーンでOSMOをコントロールするというアイデアは理に適っている。。なお、撮影中に電話がかかってきたり、お知らせメッセージが入ったりすると、撮影が中断する。これを回避するには、機内モードにし、再度Wi-Fiモードにすればよい。アンドロイドのスマートフォンでも、これは可能だ。 もう一つの問題は、こちらの方が大きい問題かもしれないが、スマホのバッテリーもけっこう早く消費してしまうこと。外部バッテリーから給電することもできるが、これもどこかに取り付けなければならず、面倒だ。 消費電力 ただ、今回はスマートフォンよりもOSMOのバッテリーのほうが問題だった。OSMOのバッテリーを1個しか持っていなかったからだ。20~30分撮ると、1時間~1.5時間充電しなければならない。DJIから大き目のバッテリーが発売されているが、これはポケットに入れたバッテリーからOSMOにケーブルでつながなければならない。今回はソニーのα7SIIも持ってきており、カメラを交換する時などひどく煩わしい。 スタビライザー OSMOのスタビライザーはかなり良くできている。カメラとジンバルが別の場合、バランスを取るのが大変な場合があるが、OSMOは一体になっているのでこの問題は無い。また、OSMOのジョイスティックも意外に使えるし、トリガーボタンの操作で被写体の方向をキープしたりすることができる。 レンズ X5Rはマイクロフォーサーズのレンズ交換ができるが、今回は同梱のf1.7/15mmレンズを使用した。広角で浅い被写界深度が得られるレンズだ。バーチャルリングによるフォーカシングは簡単ではなかったし、オートフォーカスもいまひとつ追随してくれなかったが、このレンズはワイドでありながら歪曲を最小限に抑えている。マイクロフォーサーズの泣き所のひとつだが、センサーサイズの小ささゆえ、被写界深度の浅いワイドレンズを見つけるのに苦労するのだ。 記録 X5RはRAWレコーダーに加え、従来のSDカードスロットも持っている。これによりプロキシを同時に記録することができる。DJI Goアプリはプレビュー用のイメージを作ることができるが、プロキシのほうが幾分簡単だ。RAWファイルを直接再生するのは、やはり簡単なことではない。 DNG RAWファイルをMacにインジェストするには、同梱のCineLightアプリを使う。このアプリで出力も可能だ。今回はブラックマジックデザインのDaVinci Resolve 12.5 でProRes4444に変換している。 4K RAWの映像は素晴らしい。期待通り、シャドウ部のディテールも出ているし、ハイライト部も飛んでいない。別の後処理もやってみたいと思っているが、こちらも期待したい。DJIはX5R搭載のドローンも計画しているが、もっと重量があるハイエンドの空撮機材とあまり変わらない映像を期待できるだろう。 RAWで撮った映像素材の後処理は、時間と記録メディアを大量に消費するので、OSMO RAWがいつも有用かと言うと、そうではない。しかし、最良の画質が望まれる場合や時間が十分に取れる場合は、やはり有用だ。いずれにしても高画質のRAW記録と、マイクロSDカードに収録できる高圧縮記録が選択できるのはありがたい。近いうちにProResでの記録も可能になるだろう。 まとめ Zenmuse X5RとOSMO RAWによって、今までにない映像が撮れるようになる。DJIは、この分野では、かなり独走的なファーストランナーになってきた気がする。 今回使ってみて、X5RのRAWクオリティーは、空撮で重宝されるのではないかと思った。恐らくハンドヘルドのジンバルマーケットを脅かすものではないだろう。なぜなら、ファンノイズが酷くて、音声収録が現実的ではないからだ。例えば歩きながらのインタビューなどは不可能だろう。 バッテリーの持ちも問題だ。RAWで4K/UHDを収録すると20分しか持たないので、1日中収録するような場合、非現実的な数のバッテリーが必要になる。 このような欠点もあるが、DJI OSMO RAW X5Rはジンバルスタビライザーマーケットの方向性を示している。RAWの持つクオリティーと使いやすさの点で、ハイエンドプロダクションにおいても導入が進むのではないだろうか。
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