2019.11.11 Jeff Loch
FilmConvertは、パナソニックS1とS1Hカメラ用の新しいカメラパックを発表した。 FilmConvert ProまたはFilmConvert Nitrateユーザーの場合、これらの新しいプロファイルを無料でダウンロードできる。 LUMIX S1 / S1H用FilmConvert カメラパック パナソニックのLUMIX S1とS1Hは映像クリエーターの間で人気のカメラで、特にS1HはNetflixが承認した初のミラーレスカメラでもある。(S1Hの詳細についてはこちら、ラボテストはこちら) FilmConvertはカメラパッケージのリストを継続的に更新しており、LUMIX S1およびS1H用の新しいカメラパックも導入した。このカメラパックは、FilmConvert ProおよびFilmConvert Nitrateプラグインと互換性がある。 (FilmConvert Nitrateの詳細についてはこちら)プラグインを購入すると10%の割引を受けることもできる。 FilmConvertは、ニュージーランドのウェリントンにある保護区のジーランディアでテストを行った。(冒頭のビデオ)。 V-Logピクチャープロファイル、48fps、およびLumix S 24-105mm F / 4 Macro OISで撮影している。 KD P400 Ptraフィルムストックを使用して、FilmConvert Nitrateでグレーディングを行った。 S1Hを手持ち撮影しているが、結果は良好だ。また、このような厳しい条件でカメラのダイナミックレンジの広さを確認できる。 価格と発売時期 FilmConvertカメラパックは無料で配布される。 FilmConvert Webサイトから、新しいカメラパックをダウンロードできる。さらに、同社は現在FilmConvertショートフィルムコンペティションを開催しており、エントリーはまもなく終了する。 関連商品 フジヤエービックのショップサイト Panasonic DC-S1H-K Panasonic DC-S1-K
続きを読む2019.10.30 Gunther Machu
cinema5DラボでパナソニックS1Hをテストしたのでレポートする。さまざまなフレームレートと解像度、およびフルフレームモードとsuper35mmモードでのテストを行った。 Panasonic S1H – Image credit: cinema5D いよいよパナソニックS1Hをラボテストできる日が来た。好結果が期待できるカメラだ。 結果を先に言うと、ラボの数値は非常に良好だ。S1Hはデュアルゲインセンサーの2つのISO設定でほぼ同一のダイナミックレンジ結果を示した初めてのカメラだ。 また以前の記事で紹介したように、S1Hはビデオを撮影することを重きに置いて設計されている。内蔵のProRes記録ができると理想的だが、5.9K ProRes RAWデータ出力をAtomosのNinja Vレコーダーに記録できる。 この記事は、次のように構成されている。 6K、5.9K、および4K DCIフルフレームのISO640 V-Logダイナミックレンジ結果 6K、5.9K、および4K DCIフルフレームのISO4000 V-Logダイナミックレンジ結果 6K、5.9K、および4K DCIフルフレームおよびスーパー35のローリングシャッター結果 すべての測定の要約表 S1Hのダイナミックレンジテスト ダイナミックレンジのテスト方法についてこちらを参照いただきたい。 記事の冒頭で述べたように、S1Hの解像度/コーデック/フレームレート/クロップオプションの選択肢は多様で、また2つのネイティブISO(V-Logで640および4000)をサポートしている。更に、6K 3:2、5.9K 16:9、4K DCIフルフレーム、および24p、30p、60p super35mmモードを選択できる。 ISO 640 V-Log 6K 3:2モード(5952×3968)および5.9K 16:9モード(5888×3312)でのダイナミックレンジ 6K 3:2モード(5952×3968)および5.9K 16:9モード(5888×3312)では、信号対雑音比(SNR)=2でIMATESTによって測定されたダイナミックレンジは12.7stopと好結果が出た。これは、ARRI Alexa(SNR = 2で14stop)に次ぐ好結果だ。 IMATEST dynamic range result Panasonic S1H in 5952×3968 (full frame 3:2 mode) V-Log ISO640. 12.7 stops are calculated for SNR = 2 Waveform plot of the Xyla 21 step chart Panasonic S1H 5952×3968 Full frame V-Log ISO640 – about 13 stops can be identified above the noise floor. ステップチャートの波形プロットを見ると、IMATESTの結果が確認でき、ノイズフロアの約13stopが特定できる。(上のプロットを参照) 6K 3:2および5.9K 16:9モードの場合、約200Mbit / sのH265 10bit 4:2:0(HEVC)がデフォルトとなっている。(ステップチャートでは約180Mbit / sを測定した) 。 ISO 640 V-Log 4K DCI(4096×2160)フルフレームダイナミックレンジ 次に、フルフレームモードでの4K DCI(4096×2160)のダイナミックレンジを測定する。興味深いことに、ダイナミックレンジは12.3stopと低下する。6Kで撮影され4Kにダウンスケーリングされるので、ダイナミックレンジがわずかに改善されるはずなのだが。 IMATEST dynamic range result Panasonic S1H 4096×2160 Full frame V-Log ISO640. 12.3 stops are calculated for SNR = 2 IMATESTのノイズ結果(上の画像の3つの中で最も低いグラフ)と下の4K DCIフルフレームモードの波形プロットを見ると、ノイズフロアがより顕著になっていることがわかる。 6Kと5.9Kの主な違いは使用されるコーデックだ。4K DCIではH264 10ビット4:2:2の設定で、ステップチャートビデオファイルは約420メガビット/秒のビットレートを示している。 Waveform plot of the Xyla 21 step chart Panasonic S1H at 4K DCI Full frame V-Loog ISO640 showing 12 stops above the noise floor. では0.4stop低下した理由は何だろうか? まず、6Kおよび5.9Kでは、H265でのビットレートが約180Mbit/sというのは、10ビット6Kでは十分ではないことが考えられる。 5.9K 16:9(19.5メガピクセル)と4K DCI(8.8メガピクセル)を比較すると、エンコードするピクセル数は約2.2倍だ。これは、420Mbit/s H264 4:2:2と比較して80Mbit/s H265 4:2:0と同じで、下側のstopのノイズを適切にエンコードするのに十分ではないだろう。なお、暗部にマクロブロックを見ることができなかった 次にISO640での6Kおよび5.9Kの映像は、4K DCIと比較してノイズが少ないことがわかる。H265での低ビットレートで画像をエンコードするのに、何らかの内部ノイズ低減が行われているのかもしれない。フルフレームの4K DCI画像は、センサーからの「RAW」映像にはるかに近い。 第三に、スペックシートには、モアレを低減するために使用されるローパスフィルターが記載されている。ローパスフィルターのために、6K画像がピクセルレベルで少し柔らかくなり、したがってノイズがある程度ぼやけている可能性があるのかもしれない。下のISO4000の結果を見ると、約0.1ストップ低下しているが、0.4ストップの違いを説明することはできない。 参考までに、1H 4K DCIとS1 UHDのダイナミックレンジの結果を比較すると、SNR = 2でS1Hが12.3stop、S1が12.2stopというほぼ等しい数値となっている。 次に、ISOを4000に上げた場合のダイナミックレンジを測定する。 ISO4000 V-Log 6K 3:2モード(5952×3968) と5.9K 16:9 モード (5888×3312) のダイナミックレンジ ISO4000でも、ダイナミックレンジはわずか0.4stopの低下しか見られない。これもまた好結果だ。下のIMATESTの結果を参照いただきたい。 ISO640で12.7stopだが、6Kおよび5.9Kフルフレームモード時のISO4000での結果は12.3stopとなった。 IMATEST dynamic range result Panasonic S1H in 5952×3968 (full frame 3:2 mode) V-Log ISO4000. 12.3 stops are calculated for SNR = 2. 下の波形を見ると、この結果が確認できる。 ISO4000では12以上のstopを識別できる。13番目のストップも、しっかり認識できる。 Waveform plot of the Xyla 21 step chart Panasonic S1H 5952×3968 Full frame V-Log ISO4000. More than 12 stops can be identified above the noise floor. ISO 4000 V-Log 4K DCI (4096×2160) フルフレームのダイナミックレンジ 更なる好結果は、4K DCIモードでは、6Kおよび5.9Kとほぼ同じ結果(12.2stop)が得られたこと。さらに驚くことに、4K DCIモードではISO640とISO4000の間にほとんど違いがない。より高いISO値でも、失われるダイナミックレンジは0.1ストップだけに抑えられている。 IMATEST dynamic range result Panasonic S1H 4096×2160 Full frame V-Log ISO4000. 12.2 stops are calculated for SNR = 2. Notice that we are getting almost exactly the same result as with ISO 640! Waveform plot of the Xyla 21 step chart Panasonic S1H at 4K DCI Full frame V-Log ISO4000. 12 stops can be identified above the noise floor. 更に、興味深い結果は、ISO4000では、6Kおよび5.9K V-Logの結果は4K DCIフルフレームの結果と非常によく似ており、0.1stopの差しかない。ノイズリダクション(上記の推測#2)はここでは存在しないようだ。 0.1stopは、ローパスフィルターが原因で発生している可能性がある。(前述、推測#3を参照)。 S1Hのローリングシャッター測定 CMOSセンサーは上から下へ読み取っていく性質を利用し、300Hzのストロボライトを使用して黒とグレーのバーのパターンを生成することによりローリングシャッター特性を計測する。ブラックとグレーストライプの各セットは、ローリングシャッターの3.3 [ms]に相当する。 もっとも悪い結果だったのは6K 3:2モードだった。これは、上から下までの3968ピクセル全てをキャプチャする必要があるためだ。23.98fpsモードでは、S1Hは29.7 msのローリングシャッターが計測された。 これは非常に高い値だ。安定したセンサーのおかげでローリングシャッターが部分的に軽減されるため、ハンドヘルドシューティングは問題ないが、パンでは遅れが目立つだろう。 5.9K 16:9 23.98fpsの場合、24.8 msのローリングシャッターが測定され、29.98fpsの場合は21 msで良くなる。フルフレームセンサーの場合、これらの値は平均的なものだ。 S1の23.98 fpsの結果は少し良くなっている。なお、S1のUHD 25fpsでは22 msが測定されている。 A rolling shutter of 29.7 [ms] is measured for the Panasonic S1H in 6K full frame 3:2 mode at 23.98 fps. フルフレーム4K DCIでは、状況がわずかに改善されており、24.2 msとなった。 A rolling shutter of 24.2 [ms] is measured for the Panasonic S1H in 4K DCI full frame mode at 23.98 fps. Super 35mmモードでは、4K DCI 23.98および59.94 fpsで13.9 msとなった。ただし、S1は25 fpsで10.4 msと優れている。 A rolling shutter of 13.9 [ms] is measured for the Panasonic S1H in 4K DCI Super 35 mode at 59.94 fps. S1Hのテスト結果 すべてのモードとISOでの結果を下の表にまとめた。 Summary of cinema5D lab results for the Panasonic S1H. 全体として、非常に良い結果が得られた。特にダイナミックレンジの結果は並外れている。パナソニックは、S1Hのダイナミックレンジを14+stopだと述べているが、これは、S / N比= 1の結果(13.8stop)に近いものだ。前述のとおり、ここではARRIの論理に従い、cinema5Dの基準としてSNR = 2の結果である12.7stopを採用している。 さらに、デュアルネイティブゲインのISO640とISO4000でほぼ同等のダイナミックレンジ(4K DCI時)を示すという事実は驚異的だ。これは映像に悪影響を与えることなく、より高いISOを使用できることを表している。 ただし弱点もあり、S1と比較して、すべてのモードでローリングシャッターはより高く、フルフレームで約13%、Super35mmモードでは約33%高くなっている。 さてS1Hは4000ドルだが、2500ドルのS1(V-Logアップグレードで+200ドル)の価値はあるだろうか?確かに、Netflixのカメラとして承認されている。(詳細はこちら)。残念ながら、これは自分で確認していただくしかないだろう。S1Hで撮ったドキュメンタリー映像はこちらで観ることができる。 関連商品 フジヤエービックのショップサイト Panasonic DC-S1H-K Panasonic DC-S1-K
続きを読む2019.9.2 Jakub Han
Atomosはパナソニックと連携して、パナソニックS1HカメラでHDMI経由のRAWビデオ出力を受け、Ninja VでProRes RAW記録することを発表した。両社はIBCで実際のプロトタイプを展示する予定。ニコンもZ 6およびZ 7カメラが、今年後半に有料アップグレードでRAWビデオ出力機能を提供すると表した。ニコンは、N-Logカラープロファイル用の公式Rec.709 3D LUTもリリースした。 Panasonic S1H will get RAW video output over HDMI soon. Source: Atomos パナソニックS1HがRAW出力に対応 AtomosはパナソニックがS1Hを発表したとき、同社と協力してこのカメラのRAWビデオ出力をHDMI経由でNinja Vレコーダーで記録できるようにすると述べた。これにより、Ninja VはNikon Z 6/Z 7同様、RAW映像をProRes RAWとして記録できるようになる。 Atomosとパナソニックはこの機能の詳細を発表していないが、Atomosはアムステルダムで開催されるIBCショーで実際のモデルを展示すると述べている。同社はまた、RAWアップデートがパナソニックからリリースされたた場合、Ninja Vで無料で対応すると付け加えている。 ニコンZ6/Z7のRAW出力 ニコンZ 6およびZ 7フルフレームミラーレスカメラは、HDMI経由でRAWビデオを出力することは以前よりアナウンスされている。 Cinema5Dでは2019年1月にAtomosから最初に発表された後、Z 7およびZ 6のAtomos ProRes RAWレコーディングについての記事をリリースしている。また、2019年3月のCP +で、ニコンはこの機能を展示している。 Nikon Z 6 and Z 7 will get RAW video output as a paid service upgrade. ニコンとAtomosのRAWビデオ出力の開発は、ニコンの最近の発表のように、完成に近づいているようだ。この機能が正式にリリースされる時期は明確でないが、ニコンによると今年後半と述べている。 Z 6とZ 7は、HDMIを介して12K RAWデータストリームを4K HDRレコーダーNinja Vに送信し、Ninja VはそのストリームをProRes RAWとして記録する。詳細については、ProRes RAWの説明記事をご覧いただきたい。 なおニコンは、この機能は同社のサービスセンターで内部アップグレードを行う必要があると述べており、このアップグレードは有償になる。価格は未定だが、基本的にユーザーで行えるものではない。 ニコンN-Log用Rec.709 3D LUT ニコンは、Z 7/Z 6にN-Log専用のLUT(ルックアップテーブル)も導入した。N-Logはニコンのフラットなカラープロファイルであり、10ビット4:2:2 でHDMI出力でのみ使用可能だ。 ニコンN-Log用の新しい3D LUTはRec709色空間と互換性がある。この3D LUTはRGBカラー値のプリセットであり、カラーグレーディングでルックを変換するために使用され、明るさ、彩度、色相の調整を可能にする。 N-Log 3D LUTは、こちらから無料でダウンロードできる。 フジヤエービックのショップサイト Nikon Z 6 Nikon Z 7
続きを読む2019.8.5 Gunther Machu
パナソニックLUMIX S1フルフレームカメラは、cinema5Dのダイナミックレンジとラチチュードテストで非常に良い結果を残した。そこで今回はローリングシャッターのテストを行ってみたい。ご存知のようにローリングシャッター現象はCMOSが持つ特有の好まざる現象だ。 Panasonic LUMIX S1 Cinema5DではすでにパナソニックS1に関するいくつかの記事をリリースしている。V-Logプロファイルでのダイナミックレンジとラティチュードに関するテスト記事はこちら。 今回はローリングシャッターに関してテストを行った。ローリングシャッター現象はCMOSベースのカメラが持つ特有の現象だ。電車の窓から見る景色のような、動きの速い被写体の場合、垂直の線が斜めになってしまう。もう1つの例は、手ぶれ補正なしで撮影する場合の、手ぶれにより「ゆらぎ」感だ。 Rolling Shutter sample – When a straight object becomes not so straight anymore…. ローリングシャッター現象の原因 フレーム全体が一度に読み取られるグローバルシャッターに対し、読み取りが一定の速度(ミリ秒単位のローリングシャッター値[ms])でフレームの上部から下部へと行われるため、ローリングシャッター現象が発生する。 これは、フレームの上から下へ1行づつ読み出されることを意味する。一番上の行から一番下の行を読むまで時間差があるため、その間に映像の変化がある場合、被写体は歪んでしまう。 Cmgleeの例を下に示す(クリエイティブコモンズCC BY-SA 3.0でライセンスされている) 我々映像クリエーターにとっては、もちろんローリングシャッター現象は少ないほど良い。 さまざまなモードでパナソニックS1のローリングシャッターを見る cinema5Dのテストでは300Hzの高周波数、クオーツ&マイクロコントローラベースのストロボ光に基づく新しい試験方法を採用している。センサーの読み取りが上から下に行われるに従って、ストロボから黒と白のバーが連続して表示される。 白黒のバーのペアを数え、1000/300 = 3.333 [ms]を掛ける。白黒バーの数が少なければ少ないほど、ローリングシャッターは少なく、即ち我々にとって良い結果となる。 フルフレームモードで毎秒25フレームのUHD(3840×2160)から始める。下の図のように22 [ms]という良い値を得ている。比較すると、例えばソニーα7シリーズのカメラではすべて25 [ms]より高い値が出る。 Panasonic S1 UHD 25p full frame rolling shutter of 22[ms]次はAPS-CモードのUHD 25p。驚くことに、ローリングシャッターは半分以下、10.4 [ms]となっている。 UHD 50p(APS-C)では、値は10.4 [ms]で同じだ。 Panasonic S1 UHD 25p APS-C rolling shutter of 10.4[ms]なお、UHD 25pでは富士フイルム X-T3などのAPS-Cカメラは19.6 [ms]、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4kなどのマイクロフォーサーズカメラは16 [ms]の読み出し速度を示している。またGH5は15 [ms]。 Panasonic S1 full HD 25p APS-C rolling shutter of 7.4[ms]さらに、APS-CモードでフルHDで試したところ、7.4 [ms]という驚くべき結果が得られた。(50p APS-CのフルHDも7.4 [ms])実に素晴らしい結果だ。 まとめ パナソニックS1フルフレームカメラのテストを重ねているが、結果はどれも素晴らしいものだ。次に登場するパナソニックS1Hカメラのテストが楽しみだ。 パナソニックS1は実に素晴らしい映像制作用カメラと言える。 無料のV-Logアップグレードも含め、比較的手頃な価格というのも嬉しい。 関連商品 フジヤエービックのショップサイト Panasonic DC-S1-K
続きを読む2019.7.17 Johnnie Behiri
パナソニックは、LUMIX S1フルフレームセンサーカメラの新しいファームウェアアップデートをリリースした。ピクチャープロファイルにV-Logが追加され、より広いダイナミックレンジで撮影できるようになる。LUMIX S1についてはすでにレビューしているので、この記事ではV-Logについてのみレビューする。 Panasonic LUMIX S1 V-Log Lを使用するGH 5やGH 5 Sと異なり(Lはliteの略)、LUMIX S1は本物を使用している。H.264、10ビット、4:2:2を150Mbpsで記録するので少し低いデータレートのように見えるかもしれないが、実際の映像は美しい。グレーディング後もしかりとした仕上がりになる。 ファームウエア1.2の特長 新しいファームウエアには他の追加機能も含まれており、無料でダウンロードできる。ただしV-Logを有効にしたい場合は、DMW-SFU2ソフトウェアキーをアップグレードする必要があり、これは有償だ。下がV-Log以外の新機能。 IBIS(ボディ内手振れ補正)のパフォーマンスの向上 トラッキングAF性能の向上 XQDメモリーカード使用時の動作安定性 DMW-SFU2の機能 広いダイナミックレンジ 内部4:2:2/ 10ビットMOV 24p / 25p / 30p記録(PAL)および24p / 30p (NTSC) 外部4:2:2 10bit 50p / 60p HDMI出力 V-Log カメラ内LUTアプリケーション 波形モニター XLRアダプター使用時、MOVでのハイレゾオーディオ(最大96 kHz / 24ビット録音) The LUMIX S1 can get the V-log picture profile upgrade V-Logでの撮影 従来は多少赤寄りの肌色だったが、新しいV-Logではそれは過去のものとなっている。映像は素晴らしく、簡単にグレーディングできる。撮影では露出をチェックし、針が0から+1の間にある場合でも、後でREC709にし、次にグレーディングすると最良の結果が得られた。またカメラメニューに新しい機能も追加されている。REC709で撮影しているような映像をモニターでき、フォーカシングや露出調整がやりやすくなっている。 ラチチュードテスト(V-Logで外部記録) HDMIを使用してProRes HQで外部レコーダーに出力した映像でラチチュードをテストした。これはダイナミックレンジテストではない。このテストは、あえて露出を暗くして撮影し、撮影した映像を後処理で露出アップする。これにより、暗部がどれほど美しく、ノイズがどれほど細かいかを見るもので、カメラがどれほど露光エラーを許容できるかを見ることができる。 Panasonic S1 – 0 Stops Under Panasonic S1 – 3 Stops Under Panasonic S1 – 5 1/3 Stops Under これまで、Blackmagic URSA Mini Pro G1、URSA Mini Pro G2、Nikon Z 6、およびPanasonic LUMIX S1をラティチュードテストした。 (Nikon Z 6とPanasonic S1で、同じ外部レコーダーを使用した)。今回はLUMIX S1の結果を報告する。 Panasonic S1 – 4 1/3 Stops Under. Pushed up – Quite usable if you can live with some artefacts Panasonic S1 – 5 1/3 Stops Under. Pushed up – Point of no return V-Log ISO640 UHDダイナミックレンジテスト ダイナミックレンジテストの方法については、こちらを参照いただきたい。 2019年2月にパナソニックS1のダイナミックレンジをテストしたときは「Cinelike D」、「Standard」、「HLG」の各モードで行った。記事の中で述べたように、「Standard」については、ノイズが低いstopで消えるので、良い印象ではなかった。パナソニックに連絡すると、エンコーダが安定した状態に達するために少なくとも1つのキーフレームは使わない必要があるとの説明だった。そこでIMATEST分析には最初のキーフレームを使っていない。 「HLG」では、UHD10ビットHEVC HLGモード時、結果は12.2ストップ(信号対雑音比= 2)だった。これは非常に良い結果で、ほとんどノイズが見えなく、「超クリーン」な結果だった。ただ、これはあまりにも「完璧」すぎて、個人的にはあまり好きではない。 筆者は「有機的」なビジュアルを好むが、それは自然なノイズを含むものだ。目に心地よいノイズフロア(主にごくわずかなクロマノイズ)と高いダイナミックレンジの組み合わせが、「有機的」なルックだと思う。 V-Logテストの結果 V-Logでは基本ISOは640で、カメラはUHD 23.976fpsに設定した。このモードでは、最大ビットレートはH264 10bit 4:2:2 LongGOPで約150Mbpsだ。(V-Log時H265 / HEVCは使えない)。 H264の場合も暗部でマクロブロッキングは見られなかった。 したがって、V-Log ISO 640(SNR = 2)のダイナミックレンジは12.2stopだ。これはHLGの場合と同じだが、「有機的」なノイズを含むため(下の図1を参照)、後処理によってさらに暗部にノイズが入る可能性がある。 全体として、パナソニックS1は、1位のARRI Alexa、2位のURSA Mini Pro 4.6、に次ぐ3位だ。 Figure 1: Waveform chart of the Panasonic S1 in V-Log ISO 640: A little bit more than 12 stops are sticking out from the noise floor which is very consistent with the IMATEST result of 12.2 stops for V-Log (fig. 2) Figure 2: IMATEST result of the Panasonic S1 in V-Log at ISO640. The (1/SNR) = 0.5 value (medium) is our final cinema5D 12.2 stops Dynamic Range rating (upper right hand table). まとめ パナソニックLUMIX S1は映像クリエーターに最適なカメラだ。テスト結果も良好だし、画質そのものも好感が持てる。そして次はLUMIX S1Hが控えている。もちろん更に高価ではあるが。なお、パナソニック独自のRec709 LUTをこちらからダウンロードできる。また同社のサイトから33個の無料LUTをダウンロードできる。 上記の素材は、Panasonic S1、V-Log、4K、24pで撮影。 音楽はMusicVineを使用。Cinema5Dの読者はコードC5D25を使用して、音楽ライセンスを25%オフできる。(1回のみ有効)。 関連商品 フジヤエービックのショップサイト Panasonic DC-S1-K
続きを読む2019.6.19 Jakub Han
8SinnがパナソニックのフルサイズミラーレスカメラS1とS1R用のケージを導入した。アルミニウム製で軽量にできており、多くの1/4インチの取り付けネジ穴が用意されている。このケージには同社の3種類のトップハンドル、Basic、ProおよびScorpioを取り付けることができる。 8Sinn Panasonic S1/S1R cage パナソニックS1とS1Rは、どちらも昨年9月に開催されたPhotokinaで発表された。 S1Rはプロのフォトグラファーを対象にした高解像度モデルだが、S1は映像クリエーターも念頭に置いた手頃な価格のオールラウンダーモデルだ。パナソニックS1の詳細については、レビューも参照いただきたい。 これらのカメラが発売されてから4か月になるが、まだ対応するケージはそれほど多くないようだ。8Sinnの新ケージが最初の選択肢となる。 8Sinn Panasonic S1/S1R ケージの概要 8Sinn Panasonic S1/S1R cage 8Sinnはポーランドに拠点を置くカメラアクセサリーメーカーで、カメラケージやアクセサリーで知られている。筆者も同社のケージを使ったことがあるが、デザインと人間工学的な使い勝手が良く考えられている。 このケージは、無垢のアルミニウムから削り出されている。S1とS1Rは同じボディなので、どちらにも適合する。ただ、先日発表されたS1Hは多少大きいので、このケージはS1Hには適合しないだろう。今後、S1H用のケージも発売されるだろう。 8Sinn Panasonic S1/S1R cage with top handle Basic 8Sinn S1 / S1Rケージは、重さ205gと軽量。また、1/4インチの取り付けポイントを多数用意している。またカメラの右側上部にコールドシューを備えている。すべてのダイヤルやボタン、そしてメモリカードやバッテリーコンパートメントへのアクセスにも影響がない。ケージはカメラにぴったりフィットし、カメラを保護する。 8Sinn Panasonic S1/S1R cage with top handle Pro カメラの右側には2つのストラップホルダーも用意されており、必要に応じてストラップを付けることができる。(ストラップはケージに付属していない) カメラ上面のホットシューもそのまま使用できるので、パナソニックのXLRユニットを取り付けることも可能。ただし、これはトップハンドルを付けた場合は難しそうだ。 8Sinn Panasonic S1/S1R cage with top handle Scorpio ハンドルを取り付けるには、ケージの上部のM4取り付けポイントがあり、これで前述の3種類のトップハンドルを取り付けることができる。各ハンドルは機能が異なり、さまざまな用途に適している。Basic handleはXLRユニットが使えるように見えるが、これはテストする必要がある。 ProとScorpioはどちらも短いNATOレールを使用して取り付けることができ、取り付けにより柔軟性がある。 8Sinn Panasonic S1 / S1Rケージは現在購入可能。価格は、ケージのみで170ドル。(トップハンドルなし) 同社のWebサイトはこちら。 関連商品 フジヤエービックのショップサイト Panasonic DC-S1-K
続きを読む2019.4.7 Jeff Loch
パナソニックは、新しいマイクロフォーサーズカメラ、LUMIX G91を発表した。このカメラはGラインに新しく追加されたもので、既存のカメラを置き換えるものではない。 LUMIX G91と一緒に新しいレンズも発表されたが、これはLUMIX G 14-140mmの防塵/防滴バージョン。 ラインアップ中堅カメラ 数ヶ月前、パナソニックはLUMIX S1 / S1R(レビューはこちら)と数本の新しいLマウントレンズを発表した。パナソニックGH5に代表されるマイクロフォーサーズのカメラとレンズの将来について不安を感じたユーザーもおられよう。しかしパナソニックの今回の発表に見るように、MFTフォーマットへの投資も続けられているようだ。 パナソニックLUMIX G91は新しいカメラだが、特別に新しい機能が付いているものではない。このカメラはLUMIX G9とLUMIX G81の間に位置するもので、G91のほとんどの機能を搭載している。 またLUMIX G91は、20.3メガピクセルのDigital Live MOSセンサー、最新のVenus Engine、および5軸デュアルI 2センサー手振れ補正機能を備えている。形状はG81と非常によく似ており、大きさは13 x 9,4 x 7,7 cm、総重量は536 gのコンパクトなカメラだ。また3.0インチのOLED 1040kドット解像度の折りたたみ式スクリーンとともに、2360kドットの解像度を持つ統合型OLED LVFも採用されている。 G91の筐体はマグネシウム合金のフルダイキャスト製フロントフレームでできており、耐候性に優れている。ただしG9のように凍結防止ではない。 LUMIX G91のビデオ機能 LUMIX G91は4K UHD 24/25/30fpsで記録することができ、時間制限はない。 またFullHDでは、最大毎秒120フレームで録画することができる。 さらに、V-LogLに対応したGラインの最初のカメラだ。残念ながら、SDカードへの内部記録は4:2:0 8bitに制限されている。ただし、マイクロHDMIポートを使用して4:2:2 8bit信号を外部レコーダーに出力することができる。左側には3.5mmのヘッドフォンジャック、リモートポート、およびUSB-Cポート、3.5mmのマイク入力がある。USB-Cポートを介してG91の充電ができる。 LUMIX G91には5軸Dual I.Sが搭載されている。 Dual I.Sは光学イメージスタビライザーとボディイメージスタビライザーを組み合わせたもので、写真とビデオモードで機能する。シャッタースピードが5段分補正ができる。 また、G91はLUMIXの4Kフォトモードを、G9は6Kフォトモードを備えており、4Kビデオから写真を抽出することができる。新しい自動マーキング機能は、画像に変更が加えられたフレームを自動的に検出できるもの。 カメラにはBluetooth 4.2とWi-Fi 2.4GHzが搭載されているので、アプリを介してカメラの設定をワイヤレスで制御したり、コンピューターを使用せずに写真を共有したりできる。 防塵/防滴バッテリーグリップ(DMW-BGG1)も利用でき、グリップに内蔵される追加のバッテリーにより、持続時間を拡張できる。 LUMIX G VARIO 14-140mm F/3.5-5.6 IIの概要 LUMIX G91と一緒に、LUMIX G VARIO 14-140mm(35mm換算:28-280mm)のリニューアルバージョンを発表した。このレンズは、パナソニックのMFTカメラに同梱されている、手頃な価格のキットレンズの1つだ。 Power O.I.S.を採用した、軽量でコンパクトなF / 3.5-5.6望遠ズームレンズで、新バージョンは、防滴構造と防塵構造を特長としている。 LUMIX G VARIO 14-140mm F / 3.5-5.6 II(コードネーム:H-FSA14140)は、3枚の非球面レンズと2枚のED(超低分散)レンズを含む、12群14枚の構成。レンズはゴーストとフレアを最小限に抑えるためにマルチコートされている。絞り羽根は7枚となっている。 価格と発売時期 LUMIX G91は2019年6月発売予定。予想小売価格は本体のみで999ユーロ。 またLUMIX G VARIO 14-140mm F / 3.5-5.6 IIに関する発売情報はまだない。なお、日本国内での発表はまだない。
続きを読む2019.3.31 Johnnie Behiri
パナソニックLUMIX S1は、同社が新たに参入したフルフレームミラーレスカメラで同社の新たなフラグシップカメラだ。高品質の4Kビデオを撮影することができる。このカメラの発表時に、ファームウェアのアップデートが今年7月に約束されていた。 Cinema5DではすでにLUMIX S1をレビューしているが、その低照度撮影機能と画質は特筆できるものだった(記事はこちら)。しかし、望まれる機能はまだ残っており、以下のような機能強化がこのアップグレードによって行われる。 4:2:2 10ビット4K 24p / 30p内部ビデオ記録 4:2:2 10ビット4K 60p HDMI出力 フルVログ記録 アップグレードの価格についてはまだ情報が無いが、新機能は十分期待できる内容だ。 フジヤエービックのショップサイト Panasonic DC-S1M-K Panasonic DC-S1-K
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