シャープが8Kカムコーダー8C-B60AをInterBEEで初展示
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Inter BEE 2017でシャープが8K カムコーダー、8C-B60Aを初出品した。会場でセミコンダクター事業部企画部の戒能正純氏に話を伺った。(以前の記事はこちら)
シャープ8C-B60A
シャープは、コンシューマ市場向けに8Kテレビを世界で初めて導入した企業でもある。同社はこのプロ用8Kカムコーダーを導入することにより、制作から視聴まで8Kをサポートするリーディングカンパニーに名乗りを上げた。
シネマカメラではなく、カムコーダーの位置付け
上のビデオで戒能氏は、これはカメラではなくカムコーダーであると述べている。PLマウントと4:2:2 10ビットの撮影フォーマットをSSDに記録するという機能面を見ると8Kシネマカメラを期待してしまうが、今後必要とされる広い範囲のコンテンツを制作することを考えると、この形は理にかなっているだろう。
戒能氏は、このカメラは映画撮影というよりは番組制作をターゲットに企画されたものとも述べている。その理由の1つは、RAW記録はサポートされていないこと。
記録フォーマットはGrass Valley HQXコーデックで、7680×4320 4:2:2/10ビットを採用しており、このフォーマットは番組制作用には効率的だろう。 今回の展示では、Edius編集システムにより、このカムコーダーで記録した8Kファイルの編集が実演されていた。
8Kの今後
このカムコーダーは、アストロデザインとの協業により実現したが、このパートナーシップにより、現場での8K映像制作からお茶の間での8Kテレビ観賞までが具現化したと言える。
今のところこの8Kカムコーダーの主なターゲットマーケットは日本だが、戒能氏によれば8Kシステム全体をパッケージとして提供し、8K放送のソリューションを米国や中国をはじめとして、世界的に展開する予定。 カムコーダーの価格は880万円(税別)を予定しており、我々にとっては手頃な価格とは言えないが、従来の放送用8Kカメラから考えると、破格の価格付けだ。問題は8Kの需要が今後どうなるかだが、進化の方向としては疑う余地はないだろう。