パナソニックは LUMIX GX9と固定レンズカメラTZ200の2機種を発表した。(国内での発表はまだ無い。また国内でのモデル名は異なる可能性がある) TZ200はコンパクトなトラベルカメラだが、GX9はマイクロフォーサーズのレンズ交換式ミラーレスだ。
パナソニックの LUMIX GX9はGX8の後継にあたる。心臓部は変わらず20.3メガピクセルのMicro Four Thirdsセンサーだが、手ぶれ補正機能は大幅に改善されている。一方、LUMIX TZ200は、沈胴式のLeica DC Vario-Elmar 1:3.3 – 6.4 / 8.8-124mmレンズ(35mm換算:24-360mm)を搭載しており、15倍のズーム倍率だ。どちらも、角度が自由に変えられるタッチスクリーンモニターと内蔵フラッシュを備えている。
LUMIX GX9
GX9の注目すべき機能は、やはり5軸手ブレ補正機能だろう。 O.I.S.(2軸レンズ内補正)とB.I.S.(5軸ボディ無い補正)を組み合わせるDual I.S.により、GX8から手ぶれ補正機能を高めている。これにより、低照度撮影時の手持ち撮影の可能性が広がった。
更に LUMIX GX9はシャッターユニットに電磁駆動を採用している。モーターで駆動することにより、シャッターダイヤフラムの動きによる振動と音を低減している。これはむしろ写真撮影でメリットがあるが、あるにこしたことはない。
GX9は4K(UHD3840x2160 30p/25p)または24p(MP4)での動画撮影が可能。 1080pでの撮影ももちろん可能だ。動きの速い被写体を写真撮影する場合は、30fpsの8メガピクセル4Kフォトモードが用意されている。
少し気になるのは、ビデオ撮影の機能が不足していること。 V-logはサポートされていない。また、外部モニター用のビデオ出力も無い。更に外部マイク用のオーディオ入力もなければヘッドホン出力も用意されていない。これは少し残念なことだ。ビデオユーザーからすると、これらのビデオ機能は欲しいところだ。ソニーのカメラにも十分なビデオ機能がないため、GX9にサポートされていれば大きなアドバンテージだったのだが。 LUMIX GX9のサイズは124x 72.1x 46.8mmで、重さは450g。
LUMIX TZ200
LUMIX TZ200はコンパクトサイズの固定レンズカメラで、ポケットに収まるサイズだ。 TZは“Travel Zoom”の略で、まさに旅行に最適なカメラというコンセプト。前モデルのLUMIX TZ100は、12.8メガピクセルのセンサーを持ち、30/25/24fpsのUHD 4Kで撮影できた。FullHD録画では、120fpsで撮影できる。新しいLUMIX TZ200は、新たに1インチ20.1メガピクセルセンサーを搭載しており、 LUMIX GX9同様30/25pでUHD 4K映像が撮影できる。
LUMIX TZ200の手ぶれ補正も進化している。5軸HYBRID O.I.S.+は、手持ち撮影時でも手ブレを最小限に抑える。しかし、こちらも外部ビデオ出力やオーディオ用のコネクターは搭載されていないしV-logもサポートされていない。
内蔵のライカDC Vario-Elmarレンズは、ズーム範囲を10倍(TZ100)から15倍(TZ200)に拡大している。なおマクロモードでは被写体に3cmまで近づくことができる。サイズは111.2 x64.4 x45.2 mmで、重量はわずか340gとしている。
まとめ
これらのアップグレードは、特に驚くほどのことではなく、順当なものといえるだろう。スペックは確実に進化しているが、ビデオ面でソニーに差をつけるという意味では十分とはいえない。
V-log、ビデオ出力、オーディオなど、ビデオ関連の機能がサポートされていないことは、個人レベルの映像クリエーターを含め、多くのビデオユーザーを振り向かせる機会を失うだろう。むしろフォトグラファーに LUMIX GX9の連続9fps AFが受けるだろう。今回の2モデルはビデオ機能に関しては期待はずれだったが、今後の新製品に期待したい。
Panasonic GX9のWebサイト(UK)はこちら。