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パナソニックがAU-XPD3を発売 - Thunderbolt3を採用した超高速P2カードドライブ

パナソニックがAU-XPD3を発売 - Thunderbolt3を採用した超高速P2カードドライブ

パナソニックから超高速のP2カードドライブが発売される。これは、昨年9月のIBCで発表されたもので、Thunderbolt3によりexpress P2カードに記録された映像データを高速でバックアップする。今回は、パナソニックAU-XPD3の商品企画を担当されている岡林 孝志氏にお話を伺った。

岡林氏とAU- XPD3

本題に入る前にP2カードについて少しまとめておこう。現在P2カードは、HD用の“P2カード”の他に、VARICAM 4K/ハイフレームレートに対応した“express P2カード”、そしてSDカードの“microP2カード”の3種類がある。今回紹介するAU-XPD3は主にexpressP2カード用だ。すなわち、VARICAMが主な対象ということになる。

4Kで収録するとデータ量が問題になってくる。単にストレージメディアの容量が増えるだけでなく、バックアップに要する時間もばかにならない。時間がかかるということは、それだけカードの使い回しの効率が落ち、結局はオペレーションコストに影響してくる。

そこで登場したのがAU-XPD3だ。USB3.0の5Gbpsに対し、40Gbpsのスピードを誇るThunderbolt3に対応している。実にUSB3.0の8倍のスピードだ。ちなみにThunderbolt2は20Gbpsで、これに対しても2倍早い。

ただ、これらの数値は規格上のパフォーマンスで、記録メディアをバックアップする場合は、記録メディアやデバイスなどがボトルネックになるので、単純にこれらの数値が使えるわけではない。

AU-XP0256B

具体的なバックアップ時間を提示していただいたので見てみよう。例えば512GBのexpressP2カードにはAVC-Intra/4K/4:2:2で約180分記録できるが、このデータをUSB3ポート搭載のAU-XPD1でバックアップする場合は、実質的な転送速度は2.4Gbpsとなり約30分かかる。一方、Thunderbolt3を搭載するAU-XPD3では、実質転送速度はexpressP2カードBシリーズの最大転送速度10Gbpsとなり、約7分でバックアップが終了する。Thunderbolu3によりexpressP2カードのパフォーマンスを最大限に引き出せるということだ。

そして、AU-XPD3のもう一つ重要な点は、デイジーチェーン接続ができること。Thunderbolu3の実質転送速度が17.6Gbpsまで使えるので、2台接続時でも2枚のexpressP2カードがわずか8分でバックアップ完了となる。なお、AU-XPD3は最大6台まで接続できる。

Thunderbolt3は2016年に発売されたMacBook Proに搭載されているが、WindowsPCでもACER、ASUS、Dell、HPなど多くの機種で既に搭載されている。今後、更に多くのモデルで一般的になっていくだろう。

さて、AU-XPD3だが、XPD1と比較すると、ざっくり3倍位大きい。最終的なスペックはまだ提示されていないが、おそらく重さもそれくらいだろう。岡林氏によれば熱対策が主な理由で、確かに背面には大きなファンが見える。

機能は実にシンプルで、表にexpressP2カードスロットが1個と電源スイッチ、裏にはThunderbolt3のポートが2個(入力とデイジーチェーン出力用)とDC入力があるだけ。これだけ大きいのだからmicroP2カードスロットも付くのでは?と思うが、やはりコスト面での理由が大きいようだ。まあ、microP2カードはカードアダプター(AJ-P2AD1G)を使用すれば良いだけのことではある。

またUSB3.0ポートも欲しいところだ。接続するパソコンは必ずしも最新型ではなく、Thunderbolt3ポートが付いていない可能性も高い。これもThunderbolt2を含め変換アダプターで対応できるが、こういったものはえてして持っていくのを忘れるものだ。

AU-XPD3の価格は20万円(税別)で、AU-XPD1(59,500円:同)と比べると、かなり高価になってしまう。しかし、4Kやハイフレームレートで撮影する機会が増えれば増えるほどバックアップの時間は無視できなくなり、オペレーションコストにも影響するようになる。AU-XPD3のように高速で読み出しできるデバイスはワークフロー全体の効率をアップするため、近い将来必需品になるだろう

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