富士フイルムX-T2 vs ソニーα7SII — 4K対決 どちらを買う?

Fujifilm X-T2 vs a7S II

富士フイルムのX-T2は、4Kビデオ機能において、まさに彗星のように現れたミラーレスカメラだ。今やスタンダードの地位にあるソニーα7SIIにどこまで迫れるだろうか?

富士フイルム X-T2の高画質は本物か?

我々は実に良い時代に生きている。数か月ごとに新しいミラーレスカメラが出現して、その度毎に画質や機能が改善されていく。昨年は、ソニーのα7SIIが現れたと思ったら瞬く間に頂点に上り詰め、その画質の良さと感度の良さで、今や4K映像を撮るミラーレスとしてはスタンダードの位置付けだ。

更に、僅か2週間前にはパナソニックがGH5を発表し、10bit/4:2:2での4K内部記録を実現し、脚光を浴びている。

さて、X-T2が手に入った。往年のフィルムの発色を連想させる画作りが期待できるカメラだ。早速詳細を見てみよう。

Fujifilm X-T2 camera body with 56mm Fuji lens

X-T2については、既にドキュメンタリーの短編を作ってテストしたが、フォト、ビデオ両方の読者から大変興味深いカメラとのコメントをもらっている。このカメラは富士フィルムから初の4Kミラーレスカメラながら、極めて充実した機能を搭載した本格的なもので、4K映像の内部記録はもちろん、外部記録でF-Logをサポートするなど、ハイエンドユーザーにもアピールできる機能を装備している。

X-T2とα7SIIの比較

X-T2もα7SIIも、フォトカメラデザインのミラーレスカメラだ。X-T2はAPS-Cサイズセンサーを採用し、富士Xマウントを持つ。一方、α7SIIはフルフレームセンサー搭載で、Eマウント仕様だ。センサーサイズに関してはどちらも優位点があるが、マウントに関しては、Eマウント対応アダプターが数多く出回っているのに対し、Xマウント対応アダプターはまだ数少ない。もちろん、X-T2の人気が出れば、すぐに多くのアダプターが出てくるだろう。

当cinema5Dラボでは、これまでにも多くのカメラをテストしてきたが、今回はX-T2とα7SIIの比較テストをやってみることにする。

富士フイルムX-T2

  • 最大解像度:4K UHD
  • 4K最高フレームレート:97fps
  • HD高フレームレート:94fps
  • ログガンマ:F Log
  • センサーサイズ:APS-C
  • マウント:FUJIFILM X
  • 4K時ビットレート:105Mbps
  • 実勢価格:約17万円

ソニー α7SII

  • 最大解像度:4K UHD
  • 4K最高フレームレート:29.97fps
  • HD高フレームレート:120fps
  • ログガンマ:Slog2 & Slog3
  • センサーサイズ:フルフレーム
  • マウント:Sony E
  • 4K時ビットレート:95Mbps
  • 実勢価格:約41万円

X-T2F-Logで使う

X-T2の特筆できる機能にF-Logがある。残念ながら、F-Logは外部機器でしか収録できず、内部記録はできないが、広いダイナミックレンジでニュートラルな映像を記録することができる。一方、α7SIIは、Slog2、あるいはSlog3を内部記録することができる。

富士フイルムがそのようにデシジョンした理由は何だったのだろうか?富士フイルムによると、内部記録では圧縮された4:2:0信号になるのに対し、HDMI出力は非圧縮4:2:2なので、より高画質が望める方に対応したということであった。内部記録に関しては、今後のユーザーの意見を聞きたいとしている。

Fujifilm XT-2 Closeup

X-T2の価格がα7SIIの約半分であることと、X-T2の映像の素晴らしさを考えると、もう一つの手が考えられる。それは、X-T2を買い、α7SIIとの差額で、AtomosのNinja Flameのような外部レコーダーを購入するという手だ。これなら、X-T2の非圧縮4:2:2/8bit F-Logの映像を高画質のまま記録することができる。

Fujifilm XT-2 micro hdmi port

XT-2のマイクロHDMIコネクタ

ただ、外部記録する場合、ひとつ注意しなければならないことがある。これはα7SIIも同じなのだが、ビデオレベルを適切な値にしないと、ダイナミックレンジが1stop狭くなるという問題がある。これは、当サイトで以前お知らせしたSlog FIX LUTで解決するので、参考にして欲しい。(こちらから入手可能)

Flip out lcd monitor on the Fujifilm XT-2

X-T2のフリップアウトLCDモニター

もし内部記録のみでX-T2を使うのであれば、実に美しいフィルムシミュレーション(ピクチャープロファイル)を楽しむことができる。画質面から見ても、非常に高画質だ。確かに、外部記録すれば非圧縮4:2:2/8bitの映像が得られるが、しかし、やはり外部レコーダーを接続すると機動性が失われてしまう。内部記録でもこれだけ高画質なのだから、やはり内部記録でもF-Log機能が欲しいところだ。

ダイナミックレンジ

ダイナミックレンジが広いと、暗部から明部まで、コントラストの強い映像を記録することができる。カメラの評価では、極めて重要なテストだ。テストにはDSC labs XYLA-21 テストチャートを使用した。このテストに、X-T2にはツァイスの50mm Cp2マクロに代え、富士フイルムの56mm F1.2レンズを使用した。(テスト環境の更なる詳細はこちら

その結果、X-T2の実用ダイナミックレンジは12Stopと出た。この値はα7SIIやキヤノンのC300 Mark IIとほぼ同じだ。下はダイナミックレンジの比較写真。

Fujifilm X-T2 dynamic range

実用ダイナミックレンジ (SNR 1/0.5) – 暗部は見易いように加工している

12Stopというのは、シネマカメラとして悪くない値だ。キヤノンC300 Mark IIはダイナミックレンジが広いと言われているが、X-T2はこれと比べても大きく劣っているわけではない。比較対象にはならないが、さすがにArri ALEXAは14 stopとダントツの数値で、多くのハイエンドシネマプロダクションで使われているだけのことはある。

画質

画質のテストにおいては、X-T2は他のカメラを大きく引き離した。X-T2の映像は極めて均質で、クリーンで、更に、フィルムの粒子の質感を思わせる高解像感がある。

下の写真を見ていただきたいが、X-T2は僅かながらα7SIIよりも精細感があり、エリアシングに関してはC300 Mark IIやパナソニックのVariCam35さえ凌いでいるのだ。

fujifilm-x-t2-resolution

解像度テスト 100% 切り出し 4K

上のスターチャートでは、α7SIIとX-T2はあまり変わらないように見えるかもしれないが、下の写真を見ると、その違いは一目瞭然だ。X-T2のほうが、明らかに精細感がある。

fujifilm-x-t2-detail

ディテール 100% 切り出し4K

ただ、実際には、多くのユーザーはHDにダウンコンバートするので、この程度の差はなくなってしまうように思われるが、しかし、HDにダウンコンバートした後でも、やはりX-T2はα7SIIよりも優っていたことを報告しておく。紛れもなく、X-T2は4K映像品質において最高のミラーレスカメラのひとつと言って問題ないだろう。なお、価格も含めて論じるなら、ソニーのα6300がもう一つの有力候補に挙げられる。(以前のテストはこちら) ただ、α6300のHD画質とローリングシャッターの問題はその時指摘したとおりだ。

X-T2は内部F-Log記録こそないが、内部記録でのフィルムシミュレーションでのピクチャープロファイルが豊富に用意されている。これは他のカメラではいまだにお目にかかったことはない。他のカメラではいわゆる“ピクチャープロファイル”はあるが、それらはフィルムのシミュレーションやコントラストではない。下は、二つのフィルムシミュレーションの例(105Mbps/H.264)

Fujifilm X-T2 colors

X-T2 色再現性 100% 切り出し 4K

なお、外部記録の4K映像との比較でも、内部記録がそれほど劣っているとは思えない。

HD画質

HD画質は、残念ながら4Kほど優秀ではなかった。α7SIIと比べてもエリアシングが目立ち、コントラストの強い部分でモアレとなって現れる。α7SIIはHDの画質では優っており、また120fps記録も可能で、X-T2が60fpsであることから考えると、HD映像に関してはα7SIIに軍配が上がる。下の写真は、HDにおける両者の比較。

Fujifilm X-T2 HD mode

100% 切り出し HD

X-T2のビデオにおけるベストセッティング

Fujifilm X-T2 Settings Menu

X-T2 設定メニュー(Qボタン)

シャープネス

シャープネスは常に-4が良い。強くしすぎると不自然に強調され、ビデオライクな画になってしまう。もしシャープな映像が必要なら、編集工程で加工する方が良いだろう。

H-ToneとS-Tone

これらの設定はハイライトからシャドウまでの諧調をコントロールする。それぞれ-2にセットするとダイナミックレンジも増す。

フィルムシミュレーション

カメラのルックの設定で、数種のフィルムシミュレーションが用意されている。好みで決めればよいが、“Ns”ポジションの結果が良かった。他の設定は、ホワイトバランスを除き、特に変更する必要は無いだろう。モードは常に4Kで収録し、必要に応じて、後でダウンコンバートすると良い結果となる。

ローリングシャッター

α7SIIは比較的ローリングシャッター現象が発生し易い。ローリングシャッター現象はCMOSには大なり小なりついて回る現象だが、X-T2は比較的少なく、α7SIIよりも明らかに少ない。

Fujifilm X-T2 rolling shutter performance

低照度特性

低照度特性に関しては、α7SIIの右に出る者はいない。X-T2は高ISOではα7SIIについて行けないが、ISO3200までは良好な結果を残しており、他の多くのカメラと比べると悪くない値である。即ち、α7SIIが良すぎるのだ。ただ、X-T2はノイズリダクションがかかりすぎてHDにしたときに悪影響を及ぼしている。ノイズリダクションのON/OFF選択ができるようにして欲しいものだ。

以下の写真はX-T2(F-Log ISO800)とα7SII(Slog2 ISO1600)の比較。両者ともベースISOと高ISOの映像。

100% crop from 4K image

100% 切り出し 4K

α7SIIは高ISOでもディテールが残っており、良い結果となっている。動画で見るともっと顕著に違いが分かる。

まとめ

X-T2は、富士フイルムがごく普通にフォトカメラに4K動画機能を付けてきたカメラと考えるのは、大間違いである。このカメラは、高精細な4K映像を見せてくれるだけでなく、何か有機的な、見るものに感動を与える映像を見せてくれるカメラで、間違いなくベストミラーレスのひとつとして推薦できる。

X-T2のUHD4K映像はα7SIIよりも精細でクリーンと言える。そして同じ価格帯のカメラに比べ、ローリングシャッター現象が少なく、12stopのダイナミックレンジを持つ点でも優っている。

fujifilm-x-t2-vs-sony-a7s-ii-avatar

一方、HD画質、HDでのフレームレート、内部Log記録、そして低照度特性においては、α7SIIが優っている。Eマウントアダプターや、対応アクセサリーの豊富さ、あるいはSlog2ガンマの汎用性においても、やはりα7SIIのベストミラーレスの地位は健在と言える。

フィルムシミュレーションに価値を置くユーザー、あるいは画質を最優先に考えるユーザー、そして何よりα7SIIの約半分の価格に魅力を感じるユーザーには、自信をもってX-T2をお勧めしたい。

もちろん、どちらも一級のミラーレスであり、自分の用途に合う方を選べば、どちらを選んでも間違いはない。なお、価格を最優先に考えるなら、α6300も候補に入れておくことをお勧めする。

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