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キヤノンEOS-1D X Mark IIのオートモード — ビデオを撮るフォトグラファーへ

キヤノン1D X Mark IIは、疑いなく超一級のフラグシップフォトカメラだ。しかし、動画に関しても、4K/60fpsHD/120fps、あるいはデュアルピクセルAFと言った高機能を併せ持っている。今回は、このカメラに関し、実際のところどの程度の実力なのかを試してみた。(以下の記事も参考にして欲しい)

キヤノン EOS-1D X MarkIIレビュー – ファーストインプレッション

キヤノン 1D X Mark II vs. Canon 1D C – ビデオ性能を比較する



1Dx Mark II

セットアップ

今回のテストはバルカン諸国で行ったが、このテストのためにEOS1D X Mark IIを用意していただいたキヤノンに感謝する。所用でなかなか実現できなかったのだが、今回お借りする機会もあったので、レポートしてみたい。今回は都合でHD収録となってしまったが、操作性とワークフローに関してのレポートなのでご了解いただきたい。

以下が装備した機材

–  Canon EOS-1D X Mark II
– Canon 24-105mm  F3.5 – 5.6 IS STM
– 1x バッテリーとチャージャー
– 1x 32GB CF カード
– 1x MacBook Pro, カードリーダー, 2TB USB 3.0 HDD
– 1x クルマ用充電器
– LENSKIRT (ガラスを通して撮影する場合の反射防止フード:最初のショットのみ使用)
– 1x iPhone(SunSeeker app)

 

今回は以下のような条件で撮影した。

  1. 三脚は不使用。安定した映像とするために、100fpsて撮影している。
  2. 全てオート撮影:オートホワイト、オートISO、オートアイリス、オートフォーカスを使用。オートフォーカスは全編で使用しているが、結果は上々だった。
  3. クルマでの移動だったため、充電はクルマから行っている。
1Dx Mark II

クルマの中で収録映像の確認

シネマライクな映像にするため、1:1.35のアスペクトを採用した。また、アドビPreniere Proの Lumetri機能で、多少処理している。キヤノンの色再現性は実に素晴らしいので、変にいじる必要性はない。全てのショットはナチュラルで撮っている。

今回はベルリンからスロバキアまで全行程4600Kmをクルマで移動した。

動画用カメラとしての実力

静止画撮影の話だが、このカメラの連写は1秒間に15フレームだ。その音は、まるでマシンガンのようで、ちょっと驚く。どのような環境下でも対応できる、プロの写真家のためのカメラというのがよく分かる。しかし、4Kで60fps、HDで120fpsが収録できることを考えると、動画用のカメラとしても十分な実力を持っていると言える。

1Dx Mark II

LensSkirtで窓越し撮影時の反射を抑える

テストでは、カメラをフレーミングし、後はカメラをこまごまと操作していない。このスタイルのカメラは、長年にわたって静止画を撮るために完成されたスタイルで、自分のような動画カメラマンには必ずしも使いやすいものではない。しかし、もしフォトカメラマンがビデオを撮ろうとした場合、この形はなかなか良いのではないだろうか。

以下に気が付いたことを列挙する

優位点(順不同)

  • オートフォーカスは実に快適で使える。たまに本当にオートフォーカスが働いているのか確かめたことがあったが、その心配はなかった。フォーカスを合わせたいところを指定するか、タッチスクリーンでその部分をタッチすると、その点がフォーカスされる。非常に込み入った場所で、どの程度追いかけられるのかは、定かではないが。
  • 色再現性が素晴らしく、ハイライトの処理も適切。
  • 高ビットレート(フルHD時 約360Mbps 100fps)

ウイークポイント(順不同)

  • ビデオを専門に撮る場合は、この形状は最適ではない。ビューファインダーが無いし、NDフィルターも内蔵していない。LCDディスプレイが固定されているのも不便だ。
  • REC ON/OFFボタンが押し難い。何度か、フレーミングしてRECボタンを押したはずが記録できていなかったケースがあった。ただ、後でわかったことだが、メインシャッターボタンにREC ON/OFF機能をアサインすることができるので、これを使えば、改善されるだろう。
1Dx Mark II

モンテネグロの山間にあるバスケットコート

まとめ

EOS1D X Mark IIは、やはり動画用のカメラではない。明らかに、プロのフォトカメラマン向けのカメラだ。しかし、動画も撮る場合、例えば、最近ではフォトカメラマンであっても動画を撮るケースが増えているが、このような用途には最適のカメラと言える。今回のテストの狙いはそこにあるのだが、普段オートフォーカスで撮るのに慣れているフォトカメラマンが動画を撮る場合、やはりオートフォーカスは重要な機能だ。逆に、ビデオカメラマンがメインカメラとして使用するのは、ピーキングが無い、ビューファインダーが無い、C-Logがサポートされていない、NDフィルターが内蔵されていないなどの点から、お勧めできない。

もう一度言うが、このカメラで十分仕事ができる。今回のように山に登って撮影するといったシチュエーションでは、ビデオカメラよりもむしろ機動性に優れている。EOS1D X Mark IIは並あるカメラの中で、特にオートフォーカスに優れた動画機能付きフォトカメラということができる。

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