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Blackmagic RAWのダイナミックレンジをテストする

Blackmagic RAWのダイナミックレンジをテストする

Blackmagic RAW(以下BRAW)が発表されたが、同社のURSA Mini Proでこの新しいコーデックのダイナミックレンジをテストした。12ビットRAWの素晴らしい柔軟性と小さなファイルサイズは大きな革新だ。 URSA Mini Pro 4.6での測定結果をレポートしよう。

ブラックマジックデザインがURSA Mini Pro 4.6を提供してくれ、新しいファームウェア6.0をインストールし、ISO 800と3200でダイナミックレンジをテストした。

DaVinci Resolve Studio 15.2でのBRAWの再生パフォーマンスは驚きだった。筆者は16GB RAMとGTX980Mグラフィックスカードを搭載したi7-4720HQラップトップを使用している。4.6k ProRes XQは7フレーム/秒以下、4.6k RAW DNG(ロスレス)は11fps以下だったのに対し、BRAWではUHD 24fpsがスムーズに再生されたのだ。BRAWではファイルサイズが小さくなるだけでなく、再生が大幅に改善されることが分かる。

4.6k ProRes XQ ISO 800でのダイナミックレンジ

比較対象として、4.6k ProRes XQでのダイナミックレンジをテストした。URSA Mini Pro 4.6を使用したIMATEST解析(S/N比2の場合)で、ISO 800では12.5stopだった。(S/N比1では13.6stop) ISO 400もテストしたが、結果は若干低下した。これは、ソニーFS7よりも0.5stopほど高い結果だ。しかし、ブラックマジックデザインが公表している15stopには及ばない。それではBRAWをテストしてみよう。ノイズフロアは非常にきれいに見えるが、内部ノイズリダクションの効果が表れているようだ。

Fig.1: Step chart waveform plot of the UMP 4.6k ProRes XQ at ISO 800: a little more than 12 stops can be discerned above the noise floor (code values scaled to 8bit).

4.6k BRAWのダイナミックレンジ

さて、BRAWはDaVinci Resolveを使用してファイルを展開する必要がある。IMATEST分析では影響を排除するため、できるだけソフトウェアを介さないようにしている。従ってDaVinci Resolveを介するのは多少問題があるが、これは仕方がない。今回は、最新のバージョン15.2 Studioを使用している。

ISO 800 BRAW固定ビットレート3:1 4.6kをUHDにスケーリング

ISO 800時は最高の結果が得られ、S/N比2の場合、ダイナミックレンジは12.6stopを記録した。(S/N比 1の場合は13.7stop) なお、ProResとの違いは、4.6k BRAWファイルをUHD(3840×2160)にスケールダウンしなければならないこと。フレームをIMATESTにエクスポートする4.6kのプリセットが必要だが、DaVinci Resolveにこれが用意されていないためだ。

Fig.2: Step chart waveform plot of the UMP 4.6k ISO 800 BRAW. Again, a bit more than 12 stops can be identified visually above the noise floor.

なお、DaVinci Resolveは、BRAWに “ハイライトリカバリ”機能を対処することができる。これは、BRAWで1つのチャンネルがクリップされてもRGBチャンネルを再構成できるという機能。ノイズリダクション機能と併せてBRAWファイルの後処理を大幅に改善することができる。試してみると、S/N比2の場合で約13stopまで上昇した。(S/N比1の場合は14stop) ただ、これはポストプロダクションで手を加えたものであり、できるだけカメラの出力をそのまま見るという趣旨から外れるため、この結果は参考に留めたい。

ISO 3200 BRAW固定ビットレート3:1 4.6kをUHDをスケーリング

ISO 3200では、S/N比2の場合11.7stopとなった。(S/N比1の場合は12.9stop) 参考までに、ハイライトリカバリとノイズリダクションを試してみると、S/N比 2で約12stopとなった。(S/N比1では13stop)

ISO 3200ではノイズの影響が大きく、ISO 800と比較して約1stop低い結果となった。しかし、これはまだ非常に良い結果といえる。

Fig.3: Step chart waveform plot of the UMP 4.6k at ISO 3200: noise kicks in, and about one stop is lost vs. ISO 800, leading to around 12 stops of dynamic range.

4.6k RAW DNG (ロスレス) のダイナミックレンジ

DNG RAWもBRAWと同様、DaVinci Resolveで処理する必要がある。

興味深いことに、Cinema DNGファイルのダイナミックレンジはProResやBRAWよりも低く、11stopをわずかに上回った程度だ。(S/N比 2の場合)。 DNGファイルはBRAWやProResよりもノイズが多く、IMATESTではダイナミックレンジは低下する傾向になる。これは、BMPCC 4kで測定したときと同じ現象だ。ノイズリダクションとハイライトリカバリ機能を使用すると、S/N比2で13stop以上となり、ProResやBRAWより良い結果となった。

Fig. 4: dynamic range comparison of the UMP 4.6k (BRAW) ISO 800 result with other cameras. It fares very well, coming in one stop higher than the BMPCC4k.

まとめ

URSA Mini Pro 4.6kの各種コーデックをテストすると、BMPCC4kで測定したものと非常によく似ており、ProResとBRAWではカメラ内ノイズリダクション機能がしっかり働いていることが分かる。(BMPCC4Kレビュー記事の最後の方を参照)。

BMPCC4kと比べると、URSA Mini Pro 4.6kのダイナミックレンジは一段高くなっている。しかし、同社が公表している15stopのダイナミックレンジを確認することはできなかった。条件が良くなるS/N比1で、加えて最大限のポストプロダクション処理をしても最大値は約14stopに留まった。しかしこれとは対照的に、BMPCC4kではS/N1で13stopを確認でき、こちらは同社の公表値と等しい。

ということで、URSA Mini ProのBRAW ISO 800のダイナミックレンジの測定結果は、今後のダイナミックレンジ比較のためのリファレンスとしたい。

ダイナミックレンジやその他の技術のテスト記事は多くの読者が望んでいることだろう。今後、できるだけ多くこのような記事をリリースしたいと考えている。すべてを同一条件で比較するのは簡単ではないが、読者の皆さんの参考になれば幸いだ。

なお、URAS Mini Proのレビュー記事はこちらを参照いただきたい。また、実写レビューはこちら

 

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