ブライダルビデオをシネマライクに撮る10のTips-Panasonic GH4の場合

この記事はゲストライターMatti Haapoja氏がVideologに投稿したものである。この記事でMatti氏はシネマライクなブライダルビデオを撮るためのノウハウを、彼の愛機Panasonix GH4での経験から語っている。

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2009年にMatti Haapoja氏と彼の兄弟はシネマライクなブライダルビデオの撮影を趣味で始めたのだが、これを職業にし、 Heart Visualsという会社を設立した。インターネットで日々情報を集め、参考にしている。
Matti氏はカナダのトロント在住のフリーランスカメラマンで、主にCMや教会のビデオ、あるいはブライダルを撮影している。

イントロダクション

友人のSamuelが、フランスでの彼の結婚式を撮ってほしいと連絡してきたのだが、それは、ノルマンディーの城で行われ、世界中から列席者が集うということだった。それを見逃す手は無かったので、妻と私はさっそくフランスへと向かった。

シネマライクなブライダルビデオを撮るにあたって、私は城の美しさにも焦点をあてたいと思った。ただ、私自身は常日頃、近頃ブライダルビデオカメラマンは(そして結婚式を挙げるカップルでさえも)、開催場所やドレス、あるいは装飾品ばかりを重視し、そこに集う人々をあまり見せていないのではないかと思っている。

使用機器

 カメラは先日 Canon 5D mark IIIから Panasonic GH4に代えたばかりで、これがGH4での初仕事となった。以下が私のバッグに入っている機材だ。

  • GH4
  • Metabones Speedbooster (キャノンマウントはまだ出ていなかったのでニコンマウントを使用)
  • Sigma 18-35mm 1.8
  • Nikon 85mm 1.8
  • Tiffen 77mm Variable ND
  • Manfrotto Fluid Monopod with 500 Series Head
  • Glidecam XR-4000.

なお、Canon 5D IIIと Zeiss 50mm 1.4もGH4のバックアップとして持って行った。

ブライダルビデオをシネマライクに撮る10のTips

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1. 撮りすぎない
このブライダルビデオは私自身で撮ったのだが、それはチャレンジということの他、後処理の時間を節約するというのも理由だった。私が初めてブライダルビデオを撮り始めた頃は、やたらと撮ったものだ。しかし3~5分の短編ブライダルビデオを作るのが仕事だったので、そんなに多く撮る必要は無かったのだ。

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2. 本当にこのショットを使うか?
しかし、重要なのは必要なショットを撮ることだ。いろいろ経験して、“このショットは本当に使うか?”を自問しながら撮るようになった。そして、使わないのが明白で撮らなければ、後で見る時間も節約できるわけだ。

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3. 機材は軽く、機動性を高めるべし
機材は常に軽くし、素早くレンズを交換したり、スタビライザーを装着したりできるようにしている。
結婚式の撮影では、三脚はめったに使わない。固定ショットやいろいろ位置を変えたりアングルを変えたりして撮影する場合、むしろ一脚の方が便利だ。グライドカムとカメラプレートを共通にし、必要に応じてすぐに付け替えることができるようにしている。レンズは、ほとんどがシグマの18-35mmで撮り、たまに85mmを使う。

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4. 自然体で撮る
結婚式はドキュメンタリー映画っぽく撮るようにしており、演出ややらせ的なものは避けるようにしている。あくまでも自然体で、ありのままのショットを撮るようにしている。 Panasonic GH4のように映画っぽく撮れるカメラでシネマチックなピクチャープロファイルやレンズを選択すると、被写界深度の浅い、自然でドラマチックなショットが撮れる。これについては、後でもう少し詳しく説明しよう。

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5. 押さえるべきショットは確実に
幾つかの押さえるべきショット、いわゆるマストショットがある。例えばキスシーンだ。このようなショットは一度きりなので、確実に撮れるアングルを狙う。

ブライダルビデオはリハーサルで撮影すると書いている記事も見かけるが、私はリハーサルでは撮影しない。現場に行き、ロケーションとライトの位置をチェックするだけで、後は流れに任せるだけだ。

新郎新婦の撮影の準備ができた頃にセレモニーの段取りを聞くのだが、これが一番の難関だ。不意を突かれてキスシーンが始まらないように、いつキスするのか知っておく必要があるからだ。

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6. クリエイティブな、美しいショットを狙う
マストショットの他は、できるだけ美しいショットを撮るためにいろいろなアングルやカメラムーブを探して動き回る。マストショットの間のフリータイムだ。

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7. 感動を撮る
映像に潜む重要な要素は、人々の感動だ。
結婚式と言うのは、そのような感動の場だ。従って、新郎新婦や列席する人々のほほえみや涙や、あるいは大声で笑っているシーンを撮らなければ、それはエッセンスを撮っていないということだ。

人々はカメラを向けられると、あまり感情を出さなくなってしまうので、カメラが向けられていることに気付かれないことが重要だ。私が良く使う手は、フォーカスなどをセットした後カメラを別の方向に向けておき、いざスピーチやイベントが始まったら、即座に撮影するというやり方だ。
こうすると、“カメラが目の前にある”ことが気になってトーンダウンするのを避け、自然な表情を撮ることができる。

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8. 経験値
もちろん、うまく撮影するには経験を積むことが必要だし、経験値が上がるに従い、現場で何をすべきか、どんなショットを撮るべきかが分かってくるだろう。

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9. 忍者のようであれ
私にとって、イベント中最も気を使うのは、セレモニーの時間だ。カメラマンは目立たないように撮影することが求められるが、時々、カメラマンが大きな機材を持ち込み、大きなマットボックスを装着し、セレモニーの間中新郎新婦にライトを当てているのを見かける。これは失礼だし、全くスマートではない。
カメラマンは忍者のような立ち居振る舞いが求められるのだ。

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10. いかなるライトコンディションにも対応できる機材
結婚式ではいろいろな環境で撮ることになる。イベントだけでなく、ライティングもそうだ。暗いシーンでも対応できるカメラやレンズが必要となる。GH4は夕方の薄暗いシーンでも実に心強い。
Speedboosterを使うと更に低照度でもうまく撮れるし、そのような状況下で被写界深度の深いショットも撮ることができる。5Dやソニーのα7Sでも、やはり良い結果を得られるだろう。
良い機材は確かにカメラマンを助けてくれるが、しかし最後はカメラマンの撮りようである。ドキュメンタリースタイルで撮る時、そこには必ず感動があり、カメラマンはそれを見逃さないことが重要なのだ

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長ければよいというものではない

冒頭に掲載したビデオは短編だが、往々にしてブライダルビデオはくどく、うんざりするほど長い。過去にはそのようなビデオが多かったが、そんなものを新郎新婦は求めていないのだ。(遠くにいて出席できなかった身内に見せるだけなら別だが)

3~5分程度の、その日のストーリーを簡単に物語ったビデオで十分なのだ。スピーチを含めだらだらと収録した典型的なブライダルビデオは、私は作りたくない。

ただ、ほとんどの新郎新婦は、初めからリクエストするということはない。で、私はいつも新郎新婦にハイライトを集めたビデオにしようと提案している。そして本当にそうして良かったと思ってもらえていると自負している。

Panasonic GH4について

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GH4は驚くほどすぐに使いこなせる。フリップアウトするLCDディスプレイ、バッテリーの持ち、そして小型軽量である点も気に入っている。自分の撮影スタイルにぴったりなのだ。5Dは浅い被写界深度になりがちなのが唯一気に入らなかったところだが、色彩の考え方(colour science)についても気になっていた。

それはキャノン機では少し派手目な感じになってしまい、スキントーンでは特に顕著に表れるように思うのだ。特にブライダルビデオでは、私は GH4をお勧めしたい。

カメラセッティング
ピクチャープロファイルに関しては、私はJames Miller氏のセッティングを使っている。(こちらを参照) “cinelikeD”だ。
なお、私はすべでのショットを4Kで撮っている。

オーディオ
他のブライダルカメラマンは、音声も大量に収録している。私の場合はシネマチックに仕上げるので、映像と音楽が主役だ。なので、本当に必要な場合は、Rode Videomic Pro一本で収録するが、それも稀だ。

バックアップ
バックアップはパソコンとHDDそれぞれに記録している。

ポストプロダクション
編集にはPremiere Proを使用している。
カラーグレーディングにはAfter Effectsで Vision Color Impulz LUT を使い好みのトーンにしている。

最後に

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兄弟でいつも話すのだが、おかしなことに、結婚式の当日、新郎新婦が最も多くの時間一緒にいるのは、他でもないブライダルカメラマンだということだ。
それゆえ、新郎新婦を快適にし、リラックスさせることがカメラマンにとって重要ということである。

もし、カメラマンが理由で新郎新婦が不要なストレスを感じてしまったら、その表情は間違いなく写真やビデオに現れるだろう。

できれば朝方に新郎新婦と軽く話して、カメラの前でリラックスできるようにしてあげると良い。そして、撮影に入ったら、できるだけカメラが目に入らないようにする。
そうすると、新郎新婦はカメラを気にしないで、結果、良いドキュメンタリータッチの作品となる。皆さんのご検討を祈る。

Matti Hapooja氏の作品は以下のリンクで見ることができます。
www.heartvisuals.com
vimeo.com/mattih.

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